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大雨特別警報は土曜日の発表が多い?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
令和元年台風19号の大雨(写真:ロイター/アフロ)

梅雨前線北上で太平洋側に大雨

48時間降水量(ウェザーマップ)
48時間降水量(ウェザーマップ)

梅雨前線が本州付近に北上し、静岡県を中心に太平洋側で大雨となりました。

きょう14日(土)午後1時までの48時間雨量は、天城山で329.5ミリと300ミリ以上に達したのをはじめ、静岡空港で247.5ミリ、菊川牧之原で218.0ミリ、土肥で208.5ミリなど、200ミリ以上の所も多く、伊豆半島の下田市や南伊豆町には一時、土砂災害警戒情報も出されました。

また関東でも、箱根で218.0ミリ、鴨川で151.0ミリ(5月の観測史上1位)など、南部の山沿いや沿岸部を中心に大雨となりました。

今回の大雨はまだ梅雨の前哨戦で、これから夏期にむけて、本格的な梅雨、そして台風シーズンを迎えることになりますが、なぜかここ数年、顕著な大雨は今回のように土曜日に絡むことが多くなっており、大雨特別警報の発表日も土曜日が多い傾向にあります。

大雨特別警報は土曜日に多い?

大雨特別警報の発表曜日(筆者調べ、筆者作成)
大雨特別警報の発表曜日(筆者調べ、筆者作成)

上図は大雨特別警報が運用された2013年以降の曜日ごとの発表日数を調べたものです。(同じ日に複数発表されても1日とします。)

2013年から2017年までは、あまり発表曜日には特徴がみられませんでしたが、2018年から2021年にかけては、一気に土曜日の発表日数が増えており、発表された日数14日のうち、その半分の7日が土曜日に集中しています。

ただこの明確な理由はなく、おそらくただの偶然で土曜日に集中しているだけだと思われ、今年もこの傾向が続くとはもちろん限りませんが、大雨特別警報が発表されるような顕著な大雨が、このところ週末の土曜日に絡むことが多くなっているというのは少し気になるところではあります。

2018年~2021年の大雨特別警報

2018年以降に発表された大雨特別警報の発表日は以下の通りです。

2018年

7月6日(金)7月7日(土)7月8日(日)

平成30年7月豪雨(西日本豪雨)のピークは土曜日が絡んでいました。

2019年

7月20日(土)8月28日(水)10月12日(土)10月13日(日)

令和元年東日本台風(19号)は土曜日が絡んでいました。

2020年

7月4日(土)7月6日(月)7月8日(水)10月10日(土)

令和2年7月豪雨による熊本県球磨川氾濫は土曜日でした。

2021年

7月10日(土)8月13日(金)8月14日(土)

以上のように、大きな災害を伴うような顕著な大雨は、ここ数年、週末が絡むことが多く、しかも土曜日に大雨特別警報が発表されることが多くなっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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