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10連休初日は「寒の戻り」 東北地方の山では雪も

平野貴久気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属
蔵王エコーラインの雪の壁(2018年4月 筆者撮影)

 あさって26日、宮城と山形を結ぶ山岳道路「蔵王エコーライン」が開通します。

 冬の間は積雪のため通行止めとなりますが、毎年3月中旬から除雪が始まり、4月末の金曜日に開通するのが通例となっています。開通後しばらくは、道路の脇には壮大な雪の壁が観光客を出迎えてくれます。

 また、御釜へと続く有料道路「蔵王ハイライン」も同時に開通となり、蔵王は本格的な観光シーズンに入ります。

 今年は10連休を前にしての開通となりますが、東北の山はまだ冬。開通後いきなりの雪となる可能性が出てきています。

10連休初日は「寒の戻り」

上空1500メートル付近の寒気(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気(ウェザーマップ)

 10連休の初日となる27日(土)は、一時的に西高東低の気圧配置となり、上空にはこの時季としては強い寒気が流れ込みます。上空1500メートル付近で0℃というのが、山で雪が降る目安の寒気とされていますが、その寒気が西日本まで南下してくる見込みです。そのため、東北地方の標高の高い山では雪が降って、ふぶきになるおそれもあります。

 蔵王エコーラインは、開通後も積雪や路面凍結により通行が危険と判断されれば、通行止めになることがあります。これは決して珍しいことではありませんが、27日(土)に蔵王の観光を予定している方は、通行できない可能性も考えておくべきかと思います。

 その他、山のレジャーを計画している方は、決して無理のないように行動していただきたいです。

 

 また、上空1500メートル付近の寒気は、地上の気温と密接に関係しています。その寒気の影響で、27日(土)は、東北北部では最高気温が10℃に届かないところもある見込みです。平地でも寒さ対策が必要になりそうです。

予想最高気温(気象庁24日11時発表)
予想最高気温(気象庁24日11時発表)

連休の前半は安定しない

 寒気は一時的なもので、すぐに抜けていきますが、その後は低気圧が日本付近に進み、今度は広い範囲で天気が崩れる見込みです。

 現時点での見通しとしては、28日(日)は高気圧に覆われて晴れ。29日(月)は低気圧の影響で、東北地方は日本海側から雨が降り始め、30日(火)にかけて雨となりそうです。

 前半は天気がやや日替わりの傾向、というのが、今年の連休の特徴といえるでしょうか。

週間天気予報(気象庁24日11時発表)
週間天気予報(気象庁24日11時発表)
気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ所属

1980年愛知県生まれ。大学では気象学を専攻。卒業後は番組制作会社でリサーチャーとして活動。メディアを通じて自ら気象情報を発信したいという思いから、2009年に気象予報士の資格を取得。2012年から宮城県の仙台放送にて気象キャスターを務める。現在「仙台放送 Live News it!」出演中。予報はもちろんのこと、これまで宮城県内さまざまな場所を取材した経験から見えてくることなども発信できたらと思います。

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