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NY原油31日:OPEC協調減産への警戒感で大幅続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比3.98ドル高

始値 45.00ドル

高値 49.30ドル

安値 43.88ドル

終値 49.20ドル

石油輸出国機構(OPEC)が「適正かつ妥当な価格」の達成に向けて他産油国と協議する考えを示す中、大幅続伸となった。

アジア・欧州タイムは戻り売り優勢の展開となり、前日終値を割り込む動きが目立った。中国リスクの緩和を背景とした戻り圧力に一服感が浮上する中、戻り売り圧力が強くなっていた。しかし、ニューヨークタイムに入るとOPECがウェブサイト上に公開した月刊誌の内容が材料視され、一気にプラスサイドに切り返している。前日高値45.90ドルを上回った所で売り方のストップロスを巻き込む動きも強まり、一気に上げ幅を拡大している。

OPECは、他の産油国と協議する用意があることを明らかにしているが、この点については何ら目新しい点はない。OPECは従来から減産負担を他の産油国と分担することを求めており、事実上はロシアの協力の有無がOPEC政策対応の実現可能性を決定付けるためだ。このため、今回OPECが発表したレポートに反応するような必要性があるのか疑問視しているが、もともと期近限月を中心に短期的な下げ過ぎ感が強くなっていたことが、本日の急伸を促した模様だ。多分にテクニカル要因の影響も大きいとみられるが、7月からの2ヶ月で20ドル幅の急落となっていたこともあり、ポジション調整の動きが活発化している。

当然にOPECとロシアの協調減産で合意ができれば、原油相場は更に上値を試す可能性が高まる。ただ、従来からロシアは減産による市況対策には否定的であり、ロシアの協力が得られないのであれば「噂で買って、事実で売る」展開が想定される。なお国際原油需給は緩和状態にあり、1)価格低下で生産調整を促すか、2)政策的に減産を行うかしか、原油需給改善の方法はない。本日は後者の実現可能性が原油相場を押し上げたが、早期にロシアが行動を起こすことがなければ、現在の値位置を維持するのは困難だろう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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