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NY原油2日:株高連動で反発、米原油在庫は減少するも

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比0.84ドル高

始値 44.26ドル

高値 46.77ドル

安値 43.21ドル

終値 46.25ドル

世界的な株価の保ち直しが好感され、反発した。

アジア・欧州タイムは44ドル台中盤の狭いレンジで揉み合う展開になったが、ニューヨークタイムに乱高下を繰り返しながら上値を切り上げ、プラス圏に切り返して引けている。米エネルギー情報局(EIA)発表の全米原油在庫(8月28日時点)が前週比+466.7万バレルの4億5,542.8万バレルとなったことを受けて、ニューヨークタイムの序盤は戻り売り優勢の展開になった。しかし、その後は株高連動で地合を引き締め、プラス圏で引けている。前日の急落を受けての自律反発的な動きも影響した模様。

国際金融市場の動揺が続く中、原油需給よりも株価動向が重視され易くなっている。ただ、いずれにしても需給リバランスが遅れていることを考慮すれば、仮に株高が続いても原油相場の反発力は限定される見通しであり、なお本格反発を試すのは時期尚早だろう。季節要因から米原油在庫に積み増し圧力が強くなり易いこともネガティブ。

引き続き石油輸出国機構(OPEC)の減産対応といったサプライズシナリオも警戒されるが、イランのザンギャネ石油相はOPEC非加盟国との協議で生産調整を行う必要はないとの見方を示している。イランとしてはこれから市場復帰の道を探る重要な局面を迎えており、この段階でOPECが減産政策に舵を切ることは容認できない模様だ。改めて経済制裁解除後は直ちに日量50万バレルの増産を行う意向を示しており、仮にOPECとロシアなどの協調減産が合意されても、その実効性が担保されるのか疑問視される状況になっている。

OPECのサプライズ的な動きには注意が必要だが、そうした動きがなければ戻り売り優勢の地合には変化が生じない見通し。7月以降の下げ幅が20ドルを超えたことで自律反発的な動きが広がったが、売りポジションの整理が一巡すれば、改めて投機売りが膨らもう。期先に対する期近の下げ過ぎ感も緩和されており、改めて売り易い環境になっている。株高の影響は限定されよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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