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【バイクにもダウンサイジング化の波!?】伝説のインディアン・スカウトに999ccバージョンが追加

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
新開発の水冷Vツインエンジンを搭載する「INDIAN SCOUT SIXTY」

ダウンサイジングにより扱いやすさが向上

アメリカのインディアンモーターサイクル車を取り扱う販売会社、ホワイトハウスオートモービルが新型モデル「SCOUT SIXTY(スカウト・シックスティ)」を国内投入。1月22日から発売が開始された。

「SCOUT SIXTY」は昨年ニューモデルとしてデビューした「Indian SCOUT」をベースにエンジンをダウンサイジングし、さらに進化させたモデルである。最大の変更点は水冷Vツインエンジンの排気量を従来の69cuin(1,130cc)から60cuin(999cc)としたこと。キュービックインチという米国式の排気量表示だが、これが”シックスティ”のネーミングの由来にもなっている。具体的にはエンジンのボアはそのままストロークダウンさせたことでより軽快な吹け上がり感を実現。最高出力は従来のスカウトが100psのところ、シックスティは78psとパワーダウンしているが、その分扱いやすさを向上させているという。

新開発の水冷Vツインエンジン
新開発の水冷Vツインエンジン

車体のベースは従来のスカウト同様で、軽量フレームにエンジンをソリッドマウントした構造が特徴。1920年代の元祖インディアン・スカウトのトライアングルデザインをイメージした、最新の鋳造アルミフレームとクラス最軽量レベルのコンパクトな車体(乾燥重量246kg)により、従来のスカウト同様、特に低速域での軽快感溢れるハンドリングや意のまま感のあるコントロール性が魅力となっている。

643mmの低シート高と31度の深いバンク角を確保することで、足着き性と安心感、スポーティな走りを両立。ワイドな前後16インチタイヤにABS標準装備の前後ディスクブレーキを備えるなど、従来のスカウト同様、安全性にも抜かりはない。

カラーリングにも変化を持たせた。フレームやヘッドライトリム、シートが黒に統一されたことで、従来のトラディショナルイメージからより精悍でスポーティな外観に仕上がっている。また、今回に合わせてアクセサリーも充実し、より個性的なカスタマイズにも対応していることもポイント。その分、価格はスカウトより約13万円安い153万円(税込)に設定されている。

モーターサイクルの分野にダウンサイジングの波

スカウトは1920年の誕生以来、インディアンの黄金時代とともに伝説的レーシングチーム「インディアンレッキングクルー」に数々の栄冠をもたらした名車である。そして、「世界最速のインディアン」として映画にもなった、かのバート・マンローがボンネビルソルトフラッツにて当時の世界最速記録を達成したモデルでもある。

最近はモーターサイクルの分野にもダウンサイジングの波が立ち始めている。同じ米国生まれのハーレー・ダビッドソンも昨年「ストリート750」を発売するなど、若年層とアーバンライダーを意識したモデルラインを育てようと躍起だ。それを察してか、1年ちょっとでのモデル追加は気になるところだ。”大きすぎないクルーザー”へのシフトが進むか注目される。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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