【9月7日は白露】もう「残暑」と言わない?台風が接近しやすい暦!?:気象予報士の暦解説
今日9月7日は、二十四節気の一つ「白露(はくろ)」です。
草木に露(つゆ)が降りる頃、とされていますが、実際の気候としては露が降りるなんて想像ができないほど厳しい残暑が続いています。が、実はもう「残暑」とは言わない段階に入るのかも!?
また「白露」に該当する時期は、昔から日本に台風が接近しやすいと考えられてきた時期でもあります。
気象予報士とめぐる暦の解説です。
露が白く見える「白露」
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年間を24等分、つまりだいたい2週間ごとに分けて、それぞれの季節にどんな農作業や行事をすべきなのかを、一般に人にもわかりやすくした暦です。
カレンダーがなかった昔に中国で考案され、日本にも飛鳥時代に伝わり長く使われてきました。
その二十四節気の中で、9月7日は「白露(はくろ)」に当たります。
朝晩冷え込んで、草木に降りた露(つゆ)が白く光って見えることから名づけられた暦です。(残念ながら、実際にはまだまだそんなに涼しくなりませんが…。)
「残暑見舞い」は終わり!?
立秋(8月7日頃)を過ぎたら「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」を出す…という慣習はよく知られていますが、では「残暑見舞い」はいつまで出していいのでしょうか。
地域によって差はありますが、おおむね「白露」まで、または1つ前の二十四節気である「処暑」(2024年は8月22日)まで、とされています。
つまり、もうこれ以降の暑さは「残暑」と言わない…ということなのです。
なお、俳句では代わりに「秋暑」を使うこともありますが、あまり一般的な言葉ではありませんし、現代の気候では白露以降も「残暑」を使うのが致し方ない場面が多いようです。
台風が接近しやすい時期!?「二百十日」と「二百二十日」
現代では台風の経路について科学的にデータが取られ、9月にもっとも日本の上陸しやすい、ということがわかっていますが、まだ科学が発達していなかった時代から、日本人は「このくらいの時期に台風が来やすい」というのを経験的に知っていました。
それが「二百十日(にひゃくとおか)」と「二百二十日(にひゃくはつか)」です。
この210とか220という数字は、立春(2月4日)から数えた日数で、今年2024年の場合は二百十日が8月31日、二百二十日が9月10日に当たります。
現在、日本近海には列島に近づきそうな熱帯低気圧や台風はない状態ですが、もし新たに発生したら必然的に日本に近づきやすいタイミングである…ということに。
特に今年は、8月に相次いで発生した台風の影響を受けたことで備えの必要性を実感した人が多いとは思いますが、引き続きできることから少しずつ進めていきましょう。
※筆者のプロフィールからフォロー(リンク先の「+」のボタン)していただくと、日々の天気や防災、テレビではなかなか話せない気象予報の裏側を書いた記事を逃さず読むことができます。