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常田大希率いるmillennium parade、2020年最初で最後のワンマンライブを体感した

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
Photo by Kosuke Ito

今の時代だからこそのテーマ性。結成時から思いは変わらず革新性を貫き続けるオリジナリティー。ダークなテーマパークのようであり、映像表現を含めデストピアな雰囲気漂うファンクなパーティー感。しかしながら最後に残るのは”希望”。見事なストーリーテリングによって、圧巻のライブエンタテインメントに魅力された一夜となった。

12月23日、東京国際フォーラム ホールAにて、King Gnuの常田大希が率いる気鋭の音楽集団millennium paradeによる初のホールライブ「millennium parade 3D Live 2020」が開催された。

2019年5月22日に恵比寿LIQUIDROOMで目撃した「“millennium parade Launch Party”」から、早くも4回目となるライブ公演。3D映像とシンクロする、独自のエンタメ性を発揮する唯一無二のテクニカルなパフォーマンスが炸裂したステージとなった。

※Fly with me (Live At STUDIO COAST 2019)

これまで、深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れを意味する“百鬼夜行”をコンセプトに、デジタルネイティブなミレニアル世代のミュージシャン、クリエイティブディレクター、デザイナー、 デジタルアーティストを内包し、クリエイティブファーストを掲げて作品ごとに伸縮する新たな価値観の提唱者としてエンタテインメントを発信してきたmillennium parade。待望の1stアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』を2021年2月10日にリリースすることを発表したばかりだ。

当日は感染対策の結果、客席の両隣を1席ずつ空け、1st&2ndとして2公演が行われた。

入場時に、デザインされたボックスに収められた“millennium parade original 3D glasses”が配布され、通常のライブと異なる、不可思議な高揚感に包まれた開演前。

Photo by Kosuke Ito
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オープニングは、映画のようなイントロダクションがスクリーンに投射され、“くそったれウイルスでこの世は変わっちまったし”と語り出し、こっち側に来いとばかりに

「Fly with me」のMusic Videoに登場するメモリーカードを飲み込む姿がぶっ飛んでいた。3Dグラスの装着を促すアトラクションめいたセリフは、どこかしらダークなテーマパークを彷彿とさせてくれた。 

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演者9名がステージに上がり、リズム隊の攻めのファンキーさが際立つ「Bon Dance」からスタート。アタック強めなリズムの気持ちよさ、MELRAWによるSAXの音色に魅了されるラップナンバー「SNIP」が続き、白いパーカー姿がキュートなBlack Boboiのermhoiが「Veil」でドープな美しき歌声を聴かせてくれた。

勢いそのままに“行進曲“のようなエモーショナルな展開が爆アガりな「WWW」へと流れ、「STAY!!!」では、緩急をつけながらも映像とシンクロし、加速する感情を刺激するアッパーなアンサンブルが鮮烈だ。

WONKでもおなじみの江﨑文武による繊細なピアノが絡み合いダークにとろけていく「NEHAN」も圧巻だ。張り詰めた雰囲気のなか、破天荒な集団に一筋の光を導き、時に立ち上がり拡声器でシャウトし、時に椅子に座りながらプレイする、常田の才能の輝きが眩しい。続く、耳馴染みのあるイントロダクションで驚かされたのが「Slumberland -millennium parade ver-」だ。ご存知King Gnuナンバーであり、常田が大暴れするパンキッシュなキラーチューンだ。アジテーター、佐々木 集、Mori Cotaもここぞとばかりに弾けまくる。

Photo by Kosuke Ito
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millennium paradeのサウンドは現代音楽、ジャズ、ヒップホップ、不協和音、ノイズ、ロック、パンクなど、様々なサウンドが入り乱れる。その音像の自由さの秘訣とは、ツインドラム石若 駿、勢喜 遊、そしてベーシストである新井和輝による圧倒的経験値から導き出されるビートセンスの賜物だろう。

オーラスへ向けて旧バージョンの「ABUKU」、ermhoiによるやわらかな歌声が空間に溶けていく人気チューン「Plankton」、DIOR×REMOWAのコレクションムービーでコラボレーションした「lost and found」では、より解像度が高くなった高密度のパフォーマンスをこれでもかと体感させてくれた。続く「Call me」では、突如メンバーの名前を含むステージクルーのクレジット表記がスクリーンに映し出され、ビートとともに可変していく謎めいた演出に魂をぶっ飛ばされる。「2992」とタイトルされた、かつて「Dura」と呼ばれたナンバーでは、深遠なる世界観をディストピア感溢れる歌モノとして表現していく。

ラストナンバーは、分厚いビートが快楽ポイントを刺激する新時代アンセム「Fly with me」をプレイ。会場中が一体感に溢れハンズアップしながら“みんなでぶち飛んだ!”。

これぞ、世界へ誇る日本初 → ワールドワイドなポップミュージックの姿なのだと確信。

90分の圧巻のステージ。3D映像と照明が織りなすドープな映像美に絡み合う、テクニカルな演奏力の凄み。脳みそがグルングルンに洗われたかのような爽快感だ。ラストにもう一度映画めいた映像が流れ、英語で“今日は希望をもって帰ってくれ!”という言葉が胸に突き刺さった。まるで、ジェットコースターのような凄まじいライブであったが、終演後、僕らの手には希望が残り、会場中の雰囲気が和やかに溶けていったのが印象的だった。

Photo by Kosuke Ito
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常田大希を中心に、クリエイティヴレーベルPERIMETRONや日本が誇るミュージシャン、クリエイターが集結し、世界への活動を見据えたプロジェクトmillennium parade。DIORとのコラボレーションや、日本が世界に誇るアニメーション『攻殻機動隊 SAC_2045』の主題歌を務めるなど、新たな価値観の提唱者として大きな注目を集めている才能集団だ。圧倒的インパクトを与えてくれるライブエンタテインメントの最新形態に注目すべし。

millennium paradeオフィシャルサイト

https://millenniumparade.com

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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