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【ライブレポート】2024年、ホットなバンドはこの7組。日比谷野音に新たな伝説を刻むロックの宴

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
photo by Kousuke Ito

●最新の音楽シーンを目撃できるスペシャルなイベント

都会のど真ん中、周囲を高層ビルが取り囲む日比谷公園内のコンサート会場、日比谷野外大音楽堂。自然とともに広がるスペシャルな空間に野音は存在する。屋根のないロックの聖地に轟くサウンドは、“音が空の向こうへ飛んでいく”と形容されてきた。

この地で、たくさんの伝説的ライブが生まれてきたのだ。

2024年4月27日(土)、大型連休のはじまりとなる春めいた午後の昼下がり。夏を前に、ライブ・エンタテインメントに注目が集まる新たな季節。国内大手のコンサート・プロモーターHOT STUFF PROMOTIONによる45周年のアニバーサリーイベント、『HOT STUFF 45th Anniversary HEADZ ~NEW HOT WAVE~』が開催された。

『HOT STUFF 45th Anniversary HEADZ ~NEW HOT WAVE~』
2024年4月27日(土)
開場:13:30 開演:14:30
日比谷野外大音楽堂
https://www.red-hot.ne.jp/45th/headz/

数年後、振り返ったら、必ずや伝説のライブと語り継がれるであろう、ホットな素晴らしいアーティストが7組集結した本公演。開場前から、エントランスには、フェス風ファッションをまとった熱量高いオーディエンスでいっぱいだ。いい雰囲気である。

●jo0ji、爪痕を残した感情が込められた力強いステージ!

photo by Kousuke Ito
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14時半開演、スペシャル・アクトとして登場したのはjo0ji。2024年、シーン最前線の新しい才能として注目を浴びるシンガー・ソングライターだ。颯爽と「escaper」でバンドとともに盛り上げ、人気曲「不屈に花」、「≒」によって、会場の空気をガラッと変えていく。今日、はじめて目撃したオーディエンスは多かったかもしれない。確実に爪痕を残した、感情が込められた力強いステージとなった。

●新東京、自由度高い唯一無二の新時代のセンス!

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続いて2021年結成の新しい才能、新東京があらわれた。唯一無二の新時代のセンス溢れる4人組ギターレスバンド。演奏力の高さに裏打ちされた「Morning」、「NTM」など、固定観念を打ち破るナンバーによって自由度の高いサウンドをアグレッシブに繰り広げていく。「さんざめく」では、4人の音色がそれぞれ際立つスキルフルなプレイ、個々のフレーズセンスがメロウに伝わっていく。極上の高揚感だ。

●ドミコ、オルタナティブかつ独創性高いエモーショナルさ!

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3番目にステージを賑わせたのは2011年結成2ピースバンド、ドミコ。オルタナティブかつ独創性高いエモーショナルなライブで、先鋭的なプレイを繰り広げていく。とろけるサイケかつガレージロックな熱さを持つ「問題発生です」。炸裂するギター、アッパーなロックンロールが気持ちいい人気チューン「なんて日々だっけ?」など、ざらざらしたグランジィな音像が縦横無尽に駆け巡っていく。

●NIKO NIKO TAN TAN、ダンサブルかつサイケデリック!

photo by Kousuke Ito
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ダンサブルかつサイケデリックな音像を、ダイナミックに繰り広げるNIKO NIKO TAN TAN。ジャンルを超越した音楽×映像×アートを創造する、2019年結成クリエイティブミクスチャーユニットだ。カラフルに駆け巡る「カレイドスコウプ」&踊れる「IAI」から加速してスタート。メロウな「水槽」を聴かせながらもグルーヴィーに高揚する「パラサイト」、四つ打ちアッパーな「同級生」でぶちあげていく。

●Billyrrom、最強のトーキョー・トランジション・ソウル!

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ここで一段と声援が湧いた。2年連続フジロックへの出演が決定、シーンを揺るがす気鋭のニューカマーBillyrromがあらわれた。2020年結成、トーキョー・トランジション・ソウルを奏でる6人組バンドだ。疾走感あふれるグルーヴィーな「Defunk」、「Danceless Island」で観客を盛り上げ、話題のロックチューン「DUNE」でヘヴィかつロッキンにオーディエンスの気持ちをガッチリと射止めていく。

●離婚伝説、艶のあるメロウで洗練されたサウンド!

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現在もっとも注目されている新鋭といえば離婚伝説。「愛が一層メロウ」のスマッシュヒットとともにシーンを切り開いた二人組だ。艶のあるギター、甘く切ない歌声。ソウルを基調にしたメロウで洗練された音使いによって、ミュージックラヴァーを魅了していく。ラストナンバー「メルヘンを捨てないで」は、哀愁とノスタルジー漂うメロウな名曲バラード。他に変え難い唯一無二の表現者だった。

●Penthouse、軽快かつ熱量高いシティ感覚なニューポップ!

photo by Kousuke Ito
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トリを務めたのはPenthouse。軽快かつ洗練されたニューポップ奏でる6人組シティソウルバンド。ツインリードボーカルから成る「Jukebox Driver」で颯爽とオーディエンスを沸かせ、エモーショナルな「Live in this way」など人気チューンを繰り広げていく。J-POP、ファンク、ゴスペルからサザンロックまで飛び出す音楽の宝箱のようなステージ。ラストは「フライデーズハイ」で盛り上げていく。

鳴り止まないアンコールの拍手。Penthouseがステージに再びあらわれ、「26時10分」でオーディエンスの熱狂に答えていく。こうして、日本の未来を切り開くライブバンドの宴『HOT STUFF 45th Anniversary HEADZ ~NEW HOT WAVE~』は大団円を迎えた。

ぜひ、野音に集結したjo0ji、新東京、ドミコ、NIKO NIKO TAN TAN、Billyrrom、離婚伝説、Penthouseの名前を覚えておいてほしい。まさに、日本の音楽シーンに衝動を沸き起こし、新たな夜明けを牽引するニューヘッズである。次回開催も期待したいホットなライブシリーズだ。

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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