総人口の約1%が虐待収容所に…北朝鮮「コロナ対策」巡り増加
北朝鮮には現在、「管理所」と呼ばれる政治犯収容所が少なくとも8施設あるとされている。そこでは、あらゆる形態の虐待と人権侵害が横行しているとされる。ここ数年、管理所に収監される人の数が増える傾向が観測されていたが、さらに増加した模様だ。
デイリーNK内部情報筋は、平安南道(ピョンアンナムド)价川(ケチョン)の14号と17号管理所、北倉(プクチャン)の18号管理所、収監者が核実験場関連の労働に従事させられていたと伝えられている咸鏡北道(ハムギョンブクト)化城(ファソン)の16号管理所、昨年新設された黄海北道(ファンヘブクト)の平山(ピョンサン)の管理所に収監されている人の数が増えたと述べた。その数は、昨年10月から今年3月末までに約1万8400人、詳細を見ると价川8000人、北倉4100人、平山3600人、化城2700人だ。
(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態)
デイリーNKの調査では、管理所に収監された人の総数は昨年7月の時点で約23万4000人に達する。
これは、一昨年3月と比べて少なくとも2万人以上増えた数字だ。今回明らかになった数字を合わせると、総人口の約1%の人が管理所に収監されているということになるのだから、想像を絶する状況だ。ちなみに日本の刑務所、拘置所収容人数は2019年末の時点で約4万8000人だ。
その後の昨年8月から11月にも管理所に送り込まれる人の数が増えたが、死者の増加に伴い人数が相殺され、収監人数には大きな変動がなかったと見られている。
しかし、その後の昨年第4四半期から今年第1四半期にかけて、収監者が大幅に増加した。新型コロナウイルス対策の防疫規則に違反したケースがほとんどだったが、今では当局のコロナ政策を批判した人も相当数、収監されているという。