猫同士が『喧嘩をする』理由5つ!野良猫や愛猫たちが取っ組み合いをしているのはなぜ?
猫は尊い存在ですが、時には激しい喧嘩をすることもあります。
家の外から野良猫のうめき声が聞こえたり、多頭飼育の家庭では、猫同士の取っ組み合いが見られたりしますね。
ではなぜ猫たちは喧嘩をするのでしょうか?そこには猫たちの複雑な社会のルールと、本能的な行動パターンが深く関わっているようです。
1.猫同士で『喧嘩をする』理由5つ!
1‐1.縄張り争い
猫同士の喧嘩の背景には、多くの場合縄張り意識が深く関わっています。
猫は野生時代から受け継いだ強い縄張り意識を持っており、自分のテリトリーを他の猫から守る習性があるのです。
室内で暮らす猫であってもこの縄張り意識は健在で、たとえば部屋の一角を自分の縄張りだと認識していると、そこに他の猫が侵入するのを許容できずに攻撃的な行動に出ることがあります。
この縄張り意識は、猫が安心して生活するための本能的な行動であり、決して悪いこと(問題行動)ではありません。
1‐2.メス猫のとりあい
猫同士の喧嘩の原因の一つに、メス猫の取り合いがあります。とくに発情期のメス猫がいる環境では、オス猫同士の間に激しい争いが起こることも珍しくありません。
発情期を迎えたメス猫は特有のフェロモンを分泌し、オス猫を強く惹きつけます。このフェロモンに誘引されたオス猫たちは、メス猫を独占しようと、他のオス猫と激しい競争を繰り広げるのです。
猫の世界には「なるべく戦いはしない」というルールがありますが、お互いが引き下がらないと激しい喧嘩が始まってしまうのですね。
この競争はオスたちの「子孫を残す」ための戦いで、相手が「降参のポーズ(うずくまるなど)」をするまで、互いに爪を立てたり、噛み付いたりするなど、激しい攻撃行動が見られます。
なおこうした恋の季節の「メスの取り合い」は、猫の本能的な行動であり、しつけでどうこうはできません。そのため子猫を望まないなら、避妊・去勢手術を受けましょう。
1‐3.相性が悪い
猫同士の喧嘩の原因として、性格や個性の違いによる「相性の悪さ」が挙げられます。
人間と同じように、猫にもそれぞれ異なる性格や気質があり、すべての猫が仲良くできるわけではないのです。
そのため相性の悪い猫同士が一緒に暮らすと、些細なことから喧嘩に発展することが少なくありません。
たとえ互いに威嚇し合ったり、一方的に追いかけっこをしたり、直接的な攻撃を行ったり。
このような険悪な関係は猫にとってストレスとなり、健康状態を悪化させる原因となるので、相性の悪い猫同士を無理に一緒に暮らさせるのは控えましょう。
もし猫同士の間に深刻な問題が見られる場合は、別の部屋に分けて飼育するなど、適切な対策を講じてください!
なお一般的に相性が悪いのは「オス×オス」「子猫×老猫」「繊細な猫×繊細な猫」などです。
1‐4.ストレスがたまっている
猫同士が喧嘩をする理由の一つが、「ストレスがたまっている」です。
猫も私たちと同じように、生活環境や他者との関わりからストレスを感じることがあります。たとえば環境の変化や新しい家族が増える、騒音や飼い主とのコミュニケーション不足など。
そしてそのストレスのはけ口を、ほかの猫や飼い主にぶつけます。これを転稼性攻撃行動ともいいますが、簡単にいうと「八つ当たり」のようなものです。
どちらか一方の猫がこうなってしまうと、猫同士の緊張が高まり、ちょっとしたことで衝突が生まれやすくなります。
1‐5.遊びの延長
猫同士の喧嘩と一口に言っても、その背景には様々な理由が考えられ、その一つに「遊びの延長」というケースがあります。
とくに子猫同士や、若くて活発な成猫の間では、遊びがエスカレートして喧嘩に発展することが少なくありません。
実は猫の世界では、遊びを通して狩りの練習をしたりするのですが、その際相手を捕まえたり、追い詰めたりします。
しかしその最中に一方の猫がしつこかったり止めどきを誤ると、喧嘩に発展してしまうケースがしばしば。とくに限度を知らない子猫は、兄弟や母猫に怒られてしまう子が多いです。
しかしじゃれあい自体は猫同士のコミュニケーションの一つの形であり、遊びのルールや本能的な動きを学ぶ上で重要な役割を果たしてます。
そのため飼い主は見守るのがベターですが…ケガをするくらい激しい喧嘩に発展しそうなときは、注意しながら喧嘩を阻止しましょう。
2.猫同士の喧嘩の仲裁は危険
猫同士の喧嘩に直接介入することは非常に危険なので、必要な時以外はなるべく控えましょう。
喧嘩中の猫は極度に興奮し攻撃性が高まって、まるで「小さいライオン」、人間が近づくと攻撃の対象となりかねます。
直接手で猫を引き離そうとすると、深い引っかき傷や噛み傷を負ってしまうことも…ちなみにわたしはこれで、手から流血するほどの傷を負いました。
また喧嘩中の猫は極度のストレス状態にあるため、人間が介入することでさらに興奮し、状況を悪化させる可能性もあります。
そのため基本的に猫の喧嘩は見守り、もし喧嘩を止める必要があるなら、手は出さず大きな物音を立てたり、水を吹きかけたり、しきりやタオルで相手の猫を隠すなどの間接的な方法を取りましょう。
【ポイント】猫同士の喧嘩は基本的に猫同士で解決し、それを通して関係を構築する場合もあるので、人間の介入は不要です。ただし野良猫との喧嘩や、ケガをするほどの激しい喧嘩をしている場合は、人間が止めに入りましょう。
3.まとめ
猫同士の喧嘩には縄張り意識や相性の問題、ストレス、遊びの延長など、さまざまな理由が隠れています。
多くは猫の本能や性格に基づいた自然な行動ですので、すぐには介入せず見守るのがベターです。とはいえ激しい喧嘩は、必要に応じて人間がとめましょう。
その際は猫同士の喧嘩に、飼い主が巻き込まれないよう注意してくださいね。