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Uber、2020年までに「空飛ぶタクシー」の試験飛行:テキサスとドバイで

佐藤仁学術研究員・著述家
(Uber)

Uberは2017年4月に開催されたUber Elevate Summitにおいて、同社のChief Product Officer(CPO)のJeff Holden氏が、2020年までに「空飛ぶタクシー」の試験飛行(デモ)をアメリカのテキサス州ダラス、フォートワースとドバイにて実施する計画を明らかにした。

Uberが計画している「空飛ぶタクシー」は小型の飛行機で垂直に離陸するVTOL(vertical take-off and landing)タイプなので滑走路などは不要。サンフランシスコからサンノゼまで自動車だと2時間以上かかるところを、空飛ぶタクシーだと15分で移動できるとのこと。Uberとしては将来には、自動車での移動よりも低価格で提供していきたいと述べている。ユーザーが空飛ぶタクシーを利用する時の具体的な料金は明らかにされていないが、Holand氏によると、Uberとしては乗客1人につき1マイル(約1.6km)で1.32ドル(約160円)の収入を見込んでいるとのこと。

テキサスの不動産会社Hillwood Propertiesと共同で4か所の離着陸ポイントの建設に取りかかっている。また以前から空飛ぶタクシーでの移動の導入に積極的なドバイの交通当局とも連携しており、ドバイで2020年に開催される世界博覧会での披露を計画している。UberはBell Helicopter、Aurora、Pipistrel、Mooney、Embraerといった企業と提携して空飛ぶタクシーの開発を行っており、680億ドル(約7.6兆円)投資していくようだ。

Uberは以前から空飛ぶタクシーの構想を出していたが、試験飛行する場所や連携企業の顔などが見えてきた。空飛ぶタクシーが夢物語ではなく、少しずつ現実に近づいて来ていることが伺える。まだ国や地域によって規制の問題や、騒音対応、インフラ整備など商用化での導入に向けての課題は大量にあるが、近い将来、誰もが飛行機で簡単に移動できるようになるのだろう。そのうちビルの屋上は全て飛行機の発着場になるかもしれない。

以下はUberと協力して空飛ぶタクシー開発を行っているAuroraのイメージ動画。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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