NY金31日:米利上げ警戒が高まるも、原油急伸で小幅安に留まる
COMEX金10月限 前日比1.50ドル安
始値 1,132.30ドル
高値 1,134.60ドル
安値 1,124.80ドル
終値 1,132.00ドル
フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が米経済に対して楽観的な見方を示したことが警戒され、小反落した。
週末にフィッシャーFRB副議長がメディアの取材に応じているが、そこで9月利上げの判断は時期尚早とする一方で、米経済が「かなり良好に」進行していると報告したことが、金価格の上値を圧迫している。市場のボラティリティが利上げ判断に影響を及ぼす可能性を指摘しており、少なくとも9月利上げを急ぐようなムードは見受けられない。しかし、インフレ見通しの改善に自信を示すなど、全体としては8月の世界同時株安が米金融政策に及ぼす影響は限定され、利上げ着手の流れは維持されていることが明確に示されている。
もっとも、原油相場の急伸が続いていることに加え、本日は為替がドル安方向に振れたこともあり、積極的に売り込むような動きも限定された。押し目買いと戻り売りが交錯し、前日終値を挟んでの小動きに終始している。
基調としては、米利上げ警戒感が蒸し返される中、金相場は上値の重い展開が想定される。ただ、改めて売り込むには商品市況全体の戻り圧力が一服することが必要不可欠であり、引き続き他商品市況の動向に注意が必要だろう。なお金価格は他商品市況に対して割高感が目立つ状況にあるが、リスクプレミアムの剥落に伴う下押し圧力と、他商品市況の上昇に伴う上押し圧力が相殺しあい、戻り売り圧力にブレーキが掛かっている。