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<ガンバ大阪>首位・広島相手に完封勝利。4連勝で降格圏から脱出!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

3連勝で迎えた首位・サンフレッチェ広島とのホーム戦。『GAMBA EXPO2018』の開催もあり34660人とほぼ満員のスタジアムでキックオフを迎える。前半は相手のカウンターから二度ほどひやりとさせられる場面があったものの後半はガンバペースに。引いて守る広島に対してガンバがボールを持つ時間は増えたものの、相手の守備も硬くなかなかフィニッシュまでいかせてもらえない。それでも焦れずに試合を進めたガンバは84分に得たコーナーキックにFWファン・ウィジョがあわせて先制点を奪う。残りの時間帯も途中出場の選手が、しっかりとそれぞれの役割を果たしながら試合を進め、1−0で勝利。今季初の4連勝で降格圏からも脱出した。試合後のガンバ監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

34660人もの人が入ってくれるホーム戦で、首位広島相手にいい内容を見せて勝とうと試合に入りました。前半、取られ方が悪くて相手のカウンターを受けて、ピンチを招くというバタバタした時間帯がありましたが、それを凌いでからは、自分がたちがボールを持って動かすことができましたし、相手ゴール前に迫れる展開が増えました。ただ相手の守備も厳しくてなかなか入っていけないなという前半でした。こちらのボール支配率も高まり、どこで一刺しできるかな、ということを考えながらの選手交代でしたが、最後に残していたウィジョ(ファン・ウィジョ)がしっかりと点を取ってくれた。ヒガシ(東口順昭)を含めて守備陣もしっかり頑張って、最後の試合の進め方に関しても8月の頭の頃に比べるとかなり落ち着きを持って試合を終わらせることができたと思います。いろんな面で手応えがある試合になりました。ただ、また次は大阪ダービーがあるし、ウィジョが次は出られない中で、しっかりメンバーを見極めて次の試合に向かっていきたいと思います。

ーどこで一刺しするかという話でしたが、交代のタイミング、藤本選手を入れた意図は?

70分過ぎまで引っ張った感じがありましたが、淳吾(藤本淳吾)をいれて、相手も下がっていたので右サイドの深いところでボールを動かして変化をつけたかったのと、やっと(遠藤保仁)との関係性も期待した中で、アデ(アデミウソン)も同時に入れることで3人の良さが得点につながるかなと思って起用しました。

ー得点入る直前にすでに2枚替えを予定されていました。そこは勝ちにこだわってのことだったのでしょうか。

後半の試合運びをみていると、何か変化が1つ2つあれば崩せるなというのがありましたし、淳吾もアデもトレーニングで非常に高いパフォーマンスをみせていたので。ただウィジョにしても、他の選手もいいパフォーマンスをみせていたので、あとはどこで、というタイミングだけでした。残り数分のところでアデももう1点というチャンスを作りましたし、みんなの力で勝ちきるということは常々言っているので、こういった結果につながっているんだと思います。

ー再確認ですが、ウィジョ選手はあのつもりで交代させるつもりでしたか? というのも2人用意されていた中でウィジョ選手だけずらして交代することになりましたが、それはセットプレーになったからですか?

セットプレーになったのでウィジョだけ残しました。セットプレーにならなかったらあのタイミングでウィジョも交代する予定でした。

ー4連勝で次節、大阪ダービーを迎えます。現役時代からダービーを経験されていますが、トップチームの監督として初めて迎える大阪ダービーにはどんな思いをもって臨まれますか。またどんな戦い方をしたいと思いますか。

思いというのは、シーズンのリーグ戦の中で負けられない試合の1つだということは現役時代も思っていましたし、それはユースの監督をしている頃もそうでしたし、それがトップという試合ではさらに重みが増すのは間違いにないので、選手にもそういった姿勢で臨んでもらいたいと思っていますし、その意味もしっかり理解した中で戦うことになると思います。試合の戦い方については、自然と自ずと選手たちがパワーを出して、相手に負けたくないという気持ちが出てくると思いますし、そういったところで変化だったり、質の高さだったり、を求めながら同じように勝ち点3を目指してやりたいと思います。

●MF倉田秋

後ろをしっかりヒガシくん(東口順昭)中心に、危ないシーンも体を張って守ってくれていたので、なんとか1点というのでウィジョ(ファン・ウィジョ)が助けてくれました。でも今日は攻撃もやっていて楽しかった。ちょっと手応えをつかめた試合でした。(あれだけ引かれた中で攻撃のバリエーションも工夫しながらやっていましたね)そうですね。みんながちょっと余裕を持ってボールを動かせていたと思うので。でもこれからいい時というか、早く1点2点と加点していけるように練習していきたい。(交代カードの切り方を見て勝ちに行くぞというメッセージを受け取ったところもありますか?)でも、ツネさん(宮本恒靖監督)は常に攻撃的にというか、守備も求めますが、最後まで点を取りに行けという監督なので、絶対に勝とうという気持ちでいました。(首位相手にこういう勝ち方、しかも4連勝は弾みになる?)そうですね。今日はすごいたくさん人がきてくれた中で勝てたのは大きいし、最近は接戦の試合をものにできているので、それを自信にしていきたい。ただ、いってもまだそこまで下と勝ち点を離せているわけではないので、次はダービーだし、上をしっかり見ながら戦っていきたい。(ウィジョ選手が出場停止の中で迎える大阪ダービーになりますが)そうですね。でもかわりのアデ(アデミウソン)とか一美(和成)とかも調子がいいし、全員で戦っていきたいと思います。

●FWファン・ウィジョ

ゴールを決めたセットプレーのシーンはコーナーキックからいいボールがきて、そのボールに弦太がいいタイミングで触ってくれて…おそらく自分が触らなくてもそのまま入ったかもしれないですけど、足も届いたのでさわれたのでそのまま触って入れました。(コーナーキックになっていなかったら交代になるということは気づいていましたか?)それまでは交代というのはわからなかったんですが、ゴール決まったあとに交代としりました。でもアデ(アデミウソン)が自分と交代した中でいい役割を果たしてくれたのが何よりも良かったし、自分以外の誰が交代して入ってもそういう役割を十分果たせるので悔しいという気持ちはなかったです。(相手もがっつり引いて、焦れるような展開でした。どんなことを考えてプレーしていましたか?)チャンスはいずれ必ず来ると信じて待っていたので、その1つのチャンスを掴むためにずっと集中力を高めていたので、それがコーナーキックという形で訪れたのは良かったです。(3戦連続ゴールで3戦4発。試合を重ねるごとにゴールの感覚が研ぎ澄まされているなと感じますか?)やっぱり自分は前の選手なので、ゴールを決めて当然ですし、試合を重ねるごとにゴールを決めたいという気持ちも強くなって行くので。自分が決めることによって中盤もディフェンスも試合展開としてはやりやすくなるので、できるだけ自分が決めて、いい試合にもっていけるようにやっていかないといけないということは心がけています。(次、出られないのは残念ですね)今日はガンバと広島に1枚ずつカードが出ましたが、そんなに危ない場面でもなかったし、危険なファウルとも思わなかったので…でも、そこは仕方がないので、何より自分がいなくてもチームが勝ってくれると信じています。

●MF藤本淳吾

(点を取りに行くというメッセージの投入だったと思いますが)流れが良かったので、自分が入って負けるのは嫌だったし、一発仕事ができればと思っていました。(相手が引いてほぼ前に出てこないという時間が続いていた。そこで点を取るイメージってどう描いていましたか?)サイドから崩していければ、とか、あとは例えば左から真ん中とか、左から飛ばして右とか、結構ウィジョの周りにスペースがあったので、そこで1:1で駆け引きしながら簡単に入れてあげたら…一度惜しいシーンがありましたけど、ああいう場面が作れるんじゃないかとは思っていました。自分が入ってからは特に…そんな場面もなかったし、すぐに点を入ったので良かったですけど。(監督には何を言われてましたか?)仕掛けのパスがなくなってきている、ということと、スペースがあったらシュートを、っていうことは言われていました。(勝てている流れもあってか試合終盤も落ち着いて試合を締められるようになっていますね)そうですね。前半戦はあれだけ勝つのに苦しんだのに、4連勝できるっていうのは不思議だし、その力というか、メンツ的にはいるはずなので。継続してやっていければいいなと思っています。(藤本選手自身はなかなかチャンスがもらえない状況がありますが)まあ、ゼロよりはこういう試合をやって、少しずつアピールして行くしかない。(トレーニングでも高いパフォーマンスでやっているということでしたが、全員で戦っていかなきゃいけない時だという意識で準備もされているのでしょうか)だいたいどのチームも紅白戦になるとBチームが勝つので(笑)。割と長い時間Bチームの方がボールを持って結構やっているので、それがいい感じで試合でも出てくれたらなとは思っていますけど。(次のダービーは、ウィジョ選手が出られません)ここで出られないのは、罰金ですね(笑)。とにかく、みんなで頑張ります。

●FW渡邉千真

(向こうは引いていたし、しんどい試合でしたね)でもまあ、こういうしんどい試合だからこそ勝てて良かったなと思います。(前半、相手のカウンターであわやというシーンがありましたが、それ以外はほぼ自分たちがボールを持って試合を進められていました。スペースはなかなか見つけにくかったと思いますが、どんなことを考えてプレーしていましたか?)前半はなかなかボールを受けられなくて、思うように受けさせてもらえなかったというか…でも動かないと相手も動かないし、出てこないので、そういうスペースを作る動きをして、そこを使ってくれればという思いでやっていました。相手が引いたということは僕らがボールを握れるということだったので、その中で引いた相手に対して、後半はサイドを攻略しながらやれたので…ただその先がシュートまで持っていけなかったことは課題でしたね。(最後まで勝ち点3をというイメージでプレーしていましたか?)個人的に、ファビオとかには80分を過ぎたくらいで、最低でもゼロでいこうということは確認して、それがあればセットプレーででもチャンスがあれば勝ちきれると思ったので、そういう話をしながら進めていて…結果的にセットプレーで取れたし最後は泥臭く戦って勝ち切れたのは大きかったです。35000人近く入った中でしっかり勝つことができて、見にきてくれた人たちにも気持ちを示せたんじゃないかなと思います。

●MF遠藤保仁

決定的な場面はあまり作れてなかったので、そこは足りなかったなと思います。(広島はセットプレーから失点が多いですが、あの得点のシーンでもセットプレーで、というのは意識しましたか?)パトリックさえ越えればっていうところで、パトのところで弦太がうまく競れて最後はウィジョが押し込んでくれました。上にいくためにはセットプレーでの得点も必要なので、それで取れたのは良かったです。(鳥栖が試合前に負けていて、首位の広島相手に勝ち点1でも悪くない状況だとも思いましたが、あのセットプレーのシーンの交代を見て、勝ち切れというメッセージだと受け取られたのでしょうか)前の選手の交代が今日はほとんどだったので。勝ち点3を取りに行くというのはある程度、頭に入れながらやっていましたけど、リスクマネージメントも忘れずに、というのは今日のテーマの一つだったので、後ろもゼロで抑えられたと思いますし、決定機は少なかったですが勝ち切れたのは大きいと思います。(1−0にしてからも、引くのではなく前への意識が見られた。その方がうまく試合が運べると思いますか?)前回の試合も少し、リードしている状況で防戦一方になってしまっていたので、それを少しでも変えたいというのもありましたし、スペースがあったのでね。セカンドボールもある程度は拾えていましたし、アデ(アデミウソン)とかも惜しい場面を作れていましたし、前の選手の働きも今日はあったんじゃないかなと思います。(試合の終わらせ方、ボールを握っても勝てたということに手応えはありますか?)リードしてから10分くらいしかなかったので、相手も若干パワープレー気味になっていましたし、それさえ跳ね返せればセカンドボールは拾えていましたし、いい終わらせ方はできたと思います。

●MF今野泰幸

(前半カウンターを食らったシーン以外はうまく試合を進められたという手応えはありますか?)我慢比べでしたね。全然出てこないし。全然動き出してこないし。完全なリアクションサッカーでマジで我慢比べでした。(そこに焦れずに戦えるのも1つでしたね)今日は難しかったですね。パトリックのヘディングの競り合いも任されていたし、あとカウンターのケアというのもやってくれっていわれていたので、その仕事に徹していたんですが難しかったですね。疲れました。(最後、それでも点を取りに行こうというメッセージが込められた交代があり、最後まで勝ちに行くことを目指した中で得点が生まれました)そうですね。交代によって変化を与えてくれたし、ちょっとそれまでリズムが一辺倒になっていたのが、交代によって変わって大きかったですね。相手も少し混乱していたので。(相手が引いていたとはいえボールもうまく回っていたし、今野選手も縦パスなどでそこに貢献していました)全然、プレッシャーがなかったですからね。でももう1段階、精度を上げて嫌なところにパスを出していかないと、崩せないなって思ったし、その守備の硬さは首位にいるだけあるなっていう感じで、本当に守備は強かった。でもまあ要所要所ではボールを奪えたので、それは良かったです。(しぶとい戦いはできましたね)本当に後ろは声を掛け合いながら僕も我慢しながら、本当に今日は我慢比べに勝ったというイメージです。(4連勝でダービーを迎えられる。下の勝ち点を考えれば安心はできないだろうけど、波には乗ってきていると?)でもまだ安心はできないし、安心するためにはもっともっと勝ち点3を取り続けるしかないと思っているので、しっかりまずは休んで体力を回復させて…最近はずっといい準備ができているから、それをまた継続していい準備をして、最高の雰囲気で相手を倒したいと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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