ホンダが「CB-Fコンセプト」を世界初公開!新世代のFはどんなバイクになるのか!?
Hondaは今年3月の大阪・東京モーターサイクルショー2020に出展予定だった「CB-Fコンセプト」を世界初公開した。3/27からのWEB上での情報公開とともに、報道陣向けに都内会場でコンセプトモデルが限定公開された。
目の前に現れた80年代スーパーバイクレーサー
ホンダのリリースによると、CB-Fコンセプトは「昨年CB誕生60周年の節目を機に、改めてCBシリーズの歴史を振り返り、Hondaを代表するスポーツバイクであるCBの“守り抜くこと・変革すること”を徹底的に議論し、導き出した提案の一つ」とのこと。CBはHondaのスポーツバイクの代名詞でもあり原点でもある。その存在意義を問い直すことで次世代のCBのあるべき姿を模索しようということだろう。
当日、会場でアンベールされたのはモックアップで、タンクや外装、灯火類などもダミーのシンプルな作りだったが、それだけに訴求したい部分がストレートに伝わってきたと思う。
デザインのモチーフは1979年に登場した「CB750F」である。通称“CBナナハンF”は輸出仕様の「CB900F」を当時の国内自主規制に合わせて750ccにスケールダウンしたものだが、カラーリングやホイールサイズを含めた全体のシルエットはむしろ、CB750FベースのAMAスーパーバイクレーサーのイメージに近い。特に有名なのは後に83年に史上最年少21歳でWGP500ccクラスチャンピオンに輝いた天才フレディ・スペンサーがその前年、82年にデイトナ100マイルで駆ったCB750F。これはアメリカ・ホンダから参戦したファクトリーマシンで750F(当時北米向けは750のみだった)をベースにしているが、エンジンは耐久レーサーRS1000用をさらにチューンし140ps以上を発揮、車体や足まわりもGPマシン用の特注パーツで徹底して強化された全く別モノの怪物マシンだった。
▲CB750F(1979年)
走りが絶賛されたCB1000Rがベース
話を戻して、HondaもCB-Fコンセプトを「60年の歴史の中でCBの盤石化に寄与し、北米などのレースシーンでも活躍した日本発のグローバルモデルとして、一時代を画した「CB750F」(輸出モデル:CB900F)に敬意を込め、デザインモチーフを踏襲しながら最新の技術で仕上げたチャレンジングなモデル」と称している。この一説にも前述の裏付けが滲んでいるのがお分かりだろう。
現段階での数少ない情報として、「エンジンは水冷4ストDOHC4バルブ直列4気筒998ccで、フレームは高張力鋼のモノバックボーンタイプ」であることを明らかにしている。また、展示モデルを観察してみると、足まわりには倒立フォークに片持ち式のプロアームを採用、ブレーキまわりやホイールデザインも含めてベースはCB1000Rであることは間違いないだろう。
▲CB1000R(2018年)
ちなみにCB1000Rは「ネオスポーツカフェ」を標榜して2018年に登場した新種のCBだ。スーパースポーツCBR1000RR譲りのエンジンとハイテクを満載した軽量ハイパフォーマンスなスポーツネイキッドとして新たなCB像を提案したが、先進的すぎるデザインには賛否両論あったことも事実。ただ、走りの性能は極めて素晴らしく、発表時に箱根のワインディングロードで開催されたメディア試乗会でも絶賛された記憶がある。
Fファン永遠の憧れ、現代のスペンサーレプリカを熱望す!
ということで、CB-Fコンセプトが市販化された暁には相当な走りのパフォーマンスを期待できそうだ。ちなみにCB1000Rの最高出力は145psと奇しくも前述した82年当時のスーパーバイクレーサーと同等スペック。もちろん、時代も目的も異なるが、車体設計や電子制御の面では当時とは比べるべくもないほどに著しい進化を遂げているはずだ。
狙いどころは見えてきた。これは往年のFをオマージュしたネオクラシックではなく、スペンサーレプリカを現代の技術でリプート(再起動)したスーパーネイキッドになるはずだ。コンセプトの段階でそう断言してしまうのは早計かもしれないが、往年のFファンとしては希望的観測を交えてそう願わずにいられないのだ。
なお、CB-Fコンセプトをはじめ、今回出展している29台の注目モデルは「Honda バーチャルモーターサイクルショー」としてWEB公開されているので是非チェックしてみてほしい。
※原文より筆者自身が加筆修正しています。