毎田暖乃・伊藤沙莉・石田ゆり子「虎に翼」の家族三代が申し分ないキャスティングといえるワケ
優未、成長。「はて?」も受け継ぐ
毎田暖乃、3度目の朝ドラ
朝ドラこと連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)は新潟編が終わり、ヒロイン寅子(伊藤沙莉)が東京に戻ってくる。ときに昭和30年。それに伴い寅子の娘・優未役が竹澤咲子から毎田暖乃に交代した。小学校6年生となり、「はて?」という母・寅子の口癖も受け継いだ。
”落ち着いて物事をとらえて考え、寅子に率直に意見を伝えることも。”という設定の優未を引き継いだ毎田暖乃は、朝ドラでは「スカーレット」と「おちょやん」に出演している。とりわけ「おちょやん」ではヒロイン・千代(杉咲花)の子役で第1〜2週を鮮烈に飾り、注目された。
毎田暖乃さんコメント
伊藤沙莉、石田ゆり子の血縁役には毎田暖乃がふさわしい
毎田暖乃は「おちょやん」でいわゆる大人顔負けの演技を見せた。父親相手に一歩も引かない態度と同時に繊細さも合わせもった、複雑さを表現していた。また、ドラマの終盤、千代の姪で、やがて養女になる少女役で登場すると千代の子役のときとはまったく違うアプローチで演じていて、その演じ分けの鮮やかさにも視聴者は舌を巻いた。
子役ながら大人のような精神年齢の高さの表現といえば、伊藤沙莉、9歳のときのデビュー作「14ヶ月 妻が子供に還っていく」(03年、日本テレビ系)を思わせる。単なる等身大の9歳の少女役ではなく、心は大人、身体は少女という難役を伊藤は堂々と演じていた。
天才子役の名を欲しいままに活躍するという意味において、毎田暖乃と伊藤沙莉は
母子役にふさわしいだろう。
そしてもう1点、毎田暖乃も心は大人、身体は少女という役を「妻、小学生になる。」(22年、TBS系)で演じていた。亡くなった人物(石田ゆり子)が小学生(毎田)の肉体に生まれ変わって、夫や娘のもとに現れるのだ。毎田は、石田演じる大人の女性の生前の仕草や口調を完コピしたかのようで、小学生の身体に妻や母のような大人のしっかり者の口ぶりが実に見事で、おもしろくもあった。
石田ゆり子は「虎に翼」では寅子の母、つまり、優未の祖母にあたるはるを演じていた。とすれば、毎田は時々、石田ゆり子(はる)のような雰囲気をにじませることもできるのではないか。猪爪家の血のつながりを感じさせるには最高のキャスティングである。
第96回に初登場した毎田は、竹澤咲子のいい子にしている雰囲気も踏襲していて、しっかり演技しているにもかかわらず決して出過ぎず控えめで、実力を感じさせた。
2024年度前期 連続テレビ小説「虎に翼」
【作】 吉田恵里香
【音楽】 森優太
【主題歌】 米津玄師「さよーならまたいつか!」
【語り】 尾野真千子
【キャスト】 伊藤沙莉 岡田将生 森田望智 土居志央梨 桜井ユキ 平岩紙 戸塚純貴
毎田暖乃 余貴美子 高橋克実 沢村一樹 滝藤賢一 松山ケンイチ
【法律考証】 村上一博
【制作統括】 尾崎裕和
【プロデューサー】 石澤かおる 舟橋哲男 徳田祥子
【取材】 清永聡
【演出】 梛川善郎 安藤大佑 橋本万葉 伊集院悠 相澤一樹 酒井悠
【放送予定】 総合 (月~土) 午前8時 [再]午後0時45分 ※土曜日は1週間を振り返ります。BS BSP4K (月~金) 午前7時30分