『“脳性まひ”と闘うプロバイオリニスト』として活動する式町水晶さん。
終戦の日である8月15日に京都・清水寺で、戦争で亡くなった方々や、自然災害で亡くなった方々への追悼、そして2度と戦争が行われる事のない世界平和への祈りを込めて奉納演奏を動画配信形式で行うという。
演奏で使用する楽器は、東日本大震災で発生した津波の流木から製作された『津波バイオリン(TSUNAMI VIOLIN)』と呼ばれる楽器だ。この『津波バイオリン』の最も根幹となる「魂柱」という部分には岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」が使用されている。
演奏を前に、現在の心境を式町さんに聞いた。
式町さん「戦争という人災により、過去、尊いたくさんの命が無惨にも奪われてしまったという事。それだけではなく、その決して起こってはならない戦争は、ロシアとウクライナのように、いま現在でも行われてしまっています。
ただでさえ世界では、過去から現在に至るまで地震を含めた様々な天災により、たくさんのかけがえのない尊い命が、突然失われる可能性があるのにもかかわらず、本来未然に防げるはずの人災である戦争が、いま現在も国同士で起こってしまっている事が、非常に辛く、哀れでなりません。
そしてまた日本国内では、今年に入り多数の地震の発生もありました。
かねてから地震の被害に遭われ、あまりにも大きな悲しみを背負われている被災者の方々お1人お1人の切なる願いでもある『どうかいざという時に備え、もっと防災意識を高く持って欲しい。』という思いを、津波バイオリンの音色に込めさせていただきます、
京都・清水寺には、東日本大震災で発生した流木でご製作なされた大日如来様が安置されています。また、国境・文化の違いを超え、世界各国のたくさんの方々が笑顔で観光に訪れます。
この京都・清水寺の地で、私自身、大変微力ですが、全身全霊で、追悼・奉納演奏をさせていただこうと思います。」
式町水晶(しきまち・みずき)
ポップヴァイオリニスト
1996年北海道生まれ。
脳性まひと闘うプロヴァイオリニストとして障がい者と健常者の垣根を超え、より多くの人々に夢や希望を贈りたいとの思いで、全国各地で社会貢献活動を中心に、コンサート、各種講演会など精力的に行っている。
2018年、21歳でキングレコードよりメジャーデビューを果たし、2021年東京パラリンピック閉会式での演奏を行った。