FIFAランキング8位のポーランドが早々にグループリーグ敗退決定。日本との対戦への影響は?
ハメス・ロドリゲスから放たれた低いボールは、緑のピッチに白い弧を描きながら、走り込んだクアドラードの足元にピタリと届く。必死に追いすがるパズダンを尻目に、ペナルティエリアに入ったところで、クアドラードはゴール右隅にボールを流し込んだ。いかに世界最高峰のGKシュチェスニーであっても、これを止めることは難しい。第1戦の日本との試合とは打って変わって、水を得た魚のように攻守に亘って存在感を発揮していたクアドラード。そして、コンディションの上がってきたハメス・ロドリゲス。この試合を決める決定的な3点目は、この2人の足から生まれた。
試合終了の笛とともに、項垂れるポーランドイレブン。FIFAランキング8位、世界最高レベルのストライカーであるレヴァンドフスキを擁し、抜群の攻撃力を誇っていたチームは、2試合を通じてFKからのクリホビアクの1点のみに沈黙し、2013年に立ち上げたアダム・ナバウカ監督率いる白鷲たちは、早々にロシアW杯から姿を消す。
ディフェンスリーダーのグリクが大会直前で負傷し、出場はコロンビア戦の残り10分のみ。ポーランドの両翼の攻撃を牽引する、スピード溢れる突破が武器である、ブワシュチコフスキ、グロシツキの両サイドアタッカーは、ケガの影響もあり精彩を欠き、大黒柱のレヴァンドフスキは相手DFによる徹底マークに苦しんだ。歯車の噛み合わなかったチームは、ロシアW杯最後の試合でどのような戦いをしてくるだろうか。
日本との試合への影響は
ポーランドにとって、不本意に消化試合となってしまう、日本との第3戦。ナバウカ監督はどのようなメンバー構成で戦いに挑んでくるだろうか。そして、選手たちのモチベーションはどうだろうか。
敗退が決まったポーランド代表チームは、モチベーションが低下し、主力選手たちを除いた若い選手たちによるメンバー構成で試合に挑んでくる。そのような見方もできるだろう。
しかし、ポーランド国内では過去最強の代表チームだと言われ、歴代最高の3位を上回る成績をも期待されていた、ナバウカ監督率いるポーランド代表チームは、このまま日本にも敗戦し、3連敗で大会を後にするだろうか。
「このままでは国に帰れない。応援してくれている国民のためにも、最後に意地を見せよう。」と、試合前にナバウカ監督が力強い声かけで選手たちを鼓舞し、W杯という大舞台のプレッシャーからも解放された選手たちはのびのびとプレーし、本来の実力を発揮してくる。
このような可能性もあるだろう。
日本代表チームにとって、ポーランドが最終戦にグループリーグ突破がかかっていて死に物狂いで戦ってくる、という状況に比べれば、現在の状況は良いと言えるが、国民の期待を裏切った白鷲は、きっとこのままでは終わらない。