9歳以下の子供達はタブレット型端末を使ったインターネットで何をしているのか(2019年公開版)
好奇心旺盛な子供達にとって、タブレット型端末は魔法のアイテム的存在であることは言うまでもない。その子供達はタブレット型端末でどのようなインターネットのサービスを利用しているのだろうか。その実情を内閣府が2019年5月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。
次に示すのは調査対象母集団のうちタブレット型端末(汎用のもの。学習用タブレットや子供向けタブレットは除く)でインターネットを利用している人における、その利用内容を複数回答で尋ねた結果。動画視聴をしている人がもっとも多く、8割強を示す形となった。なおグラフの横軸の項目部分は報告書の並びに準拠している。
一番多い利用内容は動画視聴で83.4%。スマートフォンでは80.7%だったが、タブレット型端末ではそれより2.7%ポイント高い。画面が大きいことやWi-Fiを使っている可能性が高いのが要因だろうが、子供達にとってタブレット型端末がスマートフォン以上に動画視聴端末と化している実態が浮かび上がる。
次いで多いのはゲームで51.4%。さらに勉強・学習が24.5%、音楽視聴が15.7%と続く。スマートフォンと比較して勉強・学習の値がやや高めに出ているのも、タブレット型端末の特性を活かしているともいえる。
これを回答者(子供)の年齢階層別に区分したのが次のグラフ。ただし回答該当者は0歳では2人、1歳は17人など区分した上では少数で、多分の統計的なぶれが生じているため、傾向的なものを見る程度の精度でしかないのにはご注意されたい。
動画視聴は0歳と6歳でいくぶんへこんでいるが、おおよその年齢で8割台から9割台の高い値を維持。他方ゲームは年上になるに連れて利用率が上がっていく(0歳の値はイレギュラーだろう)。勉強・学習は5歳をピークにそれ以降はむしろ値が落ちていく。幼い子供向けの学習アプリの類は、それなりに年齢が上になるとあまり受け入れられなくなるのだろう。
情報検索やコミュニケーションはおおよそ小学生に上がってからの利用となる。特に情報検索は小学3年生の時点でタブレット型端末を使ってインターネットを操作している人のうち1/5強の人が行っている計算となる。
スマートフォンとは多少の違いがあるが、大体利用目的は動画視聴とゲーム、そして勉強・学習に集約されている。あるいは提供している保護者としても、これらの用途で使えればそれでよいと考えているのかもしれない。あるいは元々、その利用に限定して使わせているケースもあるだろう。
■関連記事:
スマートフォンでの動画視聴、親子でトップは「音楽・ミュージシャン」・子供はアニメやゲームなどエンタメ系で高い視聴率
小学1年生8.5%、高校2年生は96.8%…子供達の携帯電話保有状況(最新)
※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書
今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2018年11月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年11月8日から12月9日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2274人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ4人、41人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。