【京都市下京区】東本願寺の門前がリニューアルして歩きやすくなりました
JR京都駅から烏丸通を北へまっすぐ行くと、左手に東本願寺が現れます。その門前の光景が変化したのが今年(2023年)の3月。それまでは東本願寺の門前で車道が直進する道と弓なりにカーブする道の二手に分かれ、東本願寺を越えた所で再び合流するという変てこな…いや、珍しい道でした。
それが“お東さん広場”としてリニューアルされ、広々とした歩きやすい空間に生まれ変わりました。休日にはイベントなども行われ、市民の憩いの場となっています。
これまでは、他府県から来てこの道を初めて車で通った人は、急に二手に分かれてすぐに合流するこの謎の…いや、珍しい道に混乱していたのではないでしょうか。かくいう自分がそうでした。しかしなぜ、このような不思議な地形になったのでしょうか。
なぜこんな珍しい地形に?
話は明治時代にさかのぼります。
明治時代末期、烏丸通が拡幅されて東本願寺の門前にも京都市電(路面電車)が走ることになりました。
しかし、東本願寺には全国から門徒(浄土真宗の信者)が集まるため、門前を市電が走ると危険です。そのため、東本願寺が市電の迂回を求めたことにより、車が通る道と市電が通る道の二手に分かれることになりました。
市電は1974年(昭和49年)に廃止となりましたが、市電跡がそのまま道路になり、その名残をとどめることになりました。
お東さん広場
この東本願寺前の二手に分かれる車道のうち、直進する南北約270m・幅約20mの車道が歩道として整備されました。
この「東本願寺前市民緑地」(愛称“お東さん広場”)は緑あふれる広々とした空間。車道に挟まれる形でもとからあった植樹帯は、あらたな植樹と芝生の整備が行われ、芝生広場と噴水広場となりました。
なによりも少々狭く感じていた歩道が広々としたのが嬉しい。見晴らしがよく、風通しもよくなったので気持ちよく歩けるようになりました。
腰掛けるスペースやトイレが新設されたのも嬉しいポイント。先日初めて歩いてみたのですが、ちょうど膀胱が限界でさっそくトイレのお世話になりました。このトイレがなかったら危なかった…
お東さん広場は、災害時の拠点としても想定されているそうです。
京都に住んでいる人でもこの変化に気づいていない人もまだまだ多いよう。ぜひ1度歩いてみて体感してみてはいかがでしょうか。
東本願寺
住所/京都市下京区常葉町754
電話/075-371-9181
Webサイトはこちら
京都市建設局みどり政策推進室
電話/075-222-4114
東本願寺前市民緑地管理事務所
電話/075-771-3052