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一人当たり109円…月に雑誌や週刊誌へいくら支払っているか、その実態

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ ファッション誌をはじめ、今でもトレンドチェックのために雑誌はよく読まれるが…

デジタル媒体の普及と共に、雑誌や新聞など、紙媒体の情勢が厳しい話は、数々の実データと共に語られている。ちょっと周囲を見渡しても、コンビニの雑誌コーナーの縮小や付録雑誌化、「街の本屋さん」の事業撤退など、得てして話を裏付けるものばかり。それでは平均的な世帯では現状において、どの程度の頻度、額で雑誌などが購入されているのだろうか。

次に示すのは総務省統計局が調査報告している家計調査報告の中から、二人以上世帯のデータを抽出した上で算出したもの。一人暮らしは消費性向が大きく異なるため、今回は取り上げない。

データでは世帯平均構成員数(3.04人)が提示されていることから、新聞以外では世帯単位だけでなく一人当たりの額なども計算する。新聞を除いたのは、新聞は通常世帯・月単位で購読するので、一人当たりの数字を出しても意味を持たないため。

なお「購入世帯数」は純粋に購入者が一人でも居た世帯の割合。1世帯内で複数の人が購入しても、購入世帯としては1件としてカウントする。「世帯購入頻度」は世帯単位での月あたり購入頻度。例えば1月中に誰かが2回雑誌を購入すれば、その世帯の購入頻度は200%になる。非購入世帯も含めての計算であることに注意。

↑ 2014年1月における二人以上世帯の平均支出金額
↑ 2014年1月における二人以上世帯の平均支出金額
 ↑ 2014年1月における二人以上世帯の”一人当たり”平均支出金額
↑ 2014年1月における二人以上世帯の”一人当たり”平均支出金額

・「世帯購入ルートで」一人も新聞を読んでいない(二人以上の)世帯は3割以上に達している。

・雑誌や週刊誌を一人も購入しない世帯は約4/5。購入する人がいる世帯は、月2回近く購入している(38.0÷19.9≒1.91)。

・二人以上世帯における、一人当たりの週刊誌や雑誌購入金額は108円88銭。通常の週刊誌は200円後半から300円はするので(例えば週刊少年サンデーは税込270円)、平均して月に1冊も買われていない計算になる。3か月でも1冊強(2冊には及ばない)。世帯レベルで計算しても、ようやく1冊/月程度。

新聞は月ベースで頼んで配達してもらう以外に、駅売りなどで時々購入している場合もある。そのため「新聞購入」という実情では、もう少し上乗せされることになる。とはいえ、二人以上世帯全体では2/3が新聞を購読している、見方を変えれば1/3が読んでいないという実情は、多くの方面にとって注目に値する結果ではある。

仮に週刊誌を1誌、毎週購入したと想定すると、1か月で1000円程度(上記の週刊少年サンデーを購入したとして、270×4=1080円)となる。週刊誌を定期購入している人が1人いれば、その人に連動する形で9人の「1か月間雑誌や週刊誌は何も買わない」がいて、ようやく平均値に達する計算になる。

↑ 仮に一人が週刊誌を毎週1冊ずつ買っていれば、他の9.0人は一冊も買っていない計算
↑ 仮に一人が週刊誌を毎週1冊ずつ買っていれば、他の9.0人は一冊も買っていない計算

もちろんこれは二人以上世帯のみの話で、趣味趣向への購入性向が高い一人暮らしの世帯では、もう少し上乗せした値になる。とはいえ、二人以上世帯が多分を占めていることを考えれば、目をそらしたくなる現実でもある。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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