「こんなに鳴き続けるとは思わなかった」

と飼い主は言い、ペットショップで購入した犬を10日で飼育放棄しました。

この犬は、生後6カ月になるトイプードル×ビションフリーゼの＃ミックス犬 （後述で説明します）・ビションプーの女の子だとまいどなニュースが伝えています。

犬は鳴くし、しつけをする必要があることを十分に理解しないで飼い始めたということが原因かもしれません。

そのうえ「ミックス犬」なので、問題が発生しやすいのです。

今日は、人気のミックス犬について考えてみましょう。

ミックス犬の問題点

世界に１頭しかいなくて愛らしさがあるミックス犬は、人気があります。

近年ではペットショップでもミックス犬は多く見かけるようになりましたが、なにが問題点か見ていきましょう。

1、しつけがしにくい

この記事にありましたトイプードル×ビションフリーゼのミックス犬・ビションプーは、しつけが難しい場合もあるのです。

トイプードルとビションフリーゼの性格が違うので、どちらで、しつけをすればいいのか、模索することが出てきます。

全く特徴や性格が異なる犬種を交配させた場合には、純血種にしつけをするのと同じようにはいかない場合があります。

交配犬の父親母親のそれぞれの犬種の特徴や性格を考慮しながら最適なしつけの方法を考える必要があります。

小型犬といってもミックス犬は、プロのドッグトレーナーの力を借りるのもおすすめです。

2．大きさや容姿が固定されていない

ミックス犬は、異なる純血種を交配させているために一般的な「犬の大きさ」には当てはまらないケースが多々あります。

例えば、チワプーというチワワ×トイプードルの掛け合わせのミックス犬・チワプーは、小型犬になる予定です。しかし、チワプーなのに、7kgになる子もいます。

こんなはずではなかったと思わず、どんなに大きくなったとしても愛情を持って最後まで育てください。

思ったより大きくなりそうだからと、フードを減らしたりすると丈夫な体を作ることができないこともあります。発育期は、きちんと栄養素を与えないと健康ではなくなることもあります。

3、顔立ちのバランスが悪くなる

相性が良い純血種同士であっても容姿は生まれてみなければわからない…といったデメリットは生じます。ひらたく言えば「ブサイクだった…」なんてこともあり得るのです。飼い主が思った顔立ちにならないこともあります。

反対に、こんな可愛い子はいないという顔立ちになったりしますが、その反対もあるのです。

4、病気になりやすい

ミックス犬は異なる純血種を交配させることから、遺伝子系の病気を持って生まれることがあります。

犬種によって発症しやすい遺伝性疾患は存在します。遺伝的な病気は、基本的には予防や治療ができません。以下のようなものがあります。

・進行性網膜萎縮症（PRA）

目の病気ですが、網膜が変性・萎縮する病気で、遺伝的要因の影響を強く受けます。

夜盲症（やもうしょう）の症状に始まり、徐々に進行して最終的には見えなくなります。

以下の犬種がなりやすいです。

トイプードル

ミニチュアトイプードル

ヨークシャーテリア

ゴールデンレトリバー

ラブラドールレトリバー

アメリカンコッカースパニエル

オーストラリアンシェパード

ウェルシュ・コーギー・スパニエル

・セロイドリポフスチン症（CL）

ライソゾーム内の分解酵素の遺伝的な異常により、セロイドやリポフスチンなどの脂質酸化物が細胞内に過剰に蓄積し、神経細胞が侵される病気です。

ボーダーコリー

他にも遺伝的な病気はあります。

キャバリア×ビション×プードルの3種類を交配させた「キャバプーション」もまた、遺伝性疾患を発症する確率が高いと言われています。

特に心臓病や膝蓋骨疾患については発症率が高くなっていて、危険な掛け合わせの一例です。

また、無理な交配によって生まれつき脊椎が曲がっている子や体や骨に障害をがあって生まれる子もいます。

さらに、体格差があまりにも大きすぎる交配はそもそも命の危険が伴います。特に、出産はメスがおこないますからメスの体格に対して掛け合わせる犬種の体格の差が大きいと、母体に負担が大きくかかり時に命の危険も生じる可能性があります。

最近のミックス犬と雑種犬の違いは？

雑種犬はその名の通り、オスとメスとがそれぞれ違う犬種同士をかけ合わせた犬です。これは、昔からよく使われています。

最近、使われているミックス犬の意味は、あえて人気の犬種同士をかけ合わせて、意図的に交配した場合をいうことが多いです。

一方、雑種犬は、違う犬種同士が意図しない交尾を行った場合を言うことが多いです。

まとめ

昔と比べて、ミックス犬の需要が高まっていますので、血統書の犬とそう価格も変わらなくなってきています。

すべてのミックス犬が問題だというわけではありませんが、上述のようなこともあります。

実際に、ミックス犬は人気があることも事実です。ミックス犬は、たとえ兄弟犬だとしてもその見た目は一緒とは言えません。「唯一無二の存在」なので、よりかわいいということもあります。

ミックス犬は、まだ性格、大きななども固定されていないので、育ててみないとわからないこともあります。飼えば、終生飼養が基本です。その辺りのことも理解して、ミックス犬を飼ってください。