紅白の吉高由里子ワールドに期待する7つの理由
KNNポール神田です!
吉高由里子さんといえば、ユニークなキャラクターでよく知られている。しかしそれは、巷によくおられる「天然ちゃん」をはるかに凌駕する吉高独自の「吉高ワールド」という独自の世界があるからだ。
1988年生まれの26歳の女優。CNNの選ぶ日本の演技派7人に嵐の二宮和也と共にクレジットされているほどの演技派。
それにも増して、キャラクターが突出している。しかし、それで紅白の司会となると、どう影響するのだろうか?
紅白の司会に遊びを求めだしたNHK
国民的番組の紅白の司会というと、司会者としての最高の名誉でもある。しかし、この数年、ジャニーズの嵐の白組司会が鉄板すぎるほどの安定を見せている。機転も間のタイミングも、この厳しい芸能界に幼少の頃から叩き上げられた職人ワザとチームワークが光る。しかし、安定しすぎていて、トラブル対応も見事すぎて、事故に発展しないのが反対につまらない。
しかし、2013年の紅白の綾瀬はるかさんの赤組司会や仲間由紀恵さんの司会で、嵐の対応力以上の何かを、NHKは気づいたのだろう。女優は実は生本番に弱いという事実を…。
赤組の司会者に、ハラハラしながら観るという緊張感があることを。
もはや紅白歌合戦の時代ではない
そう、紅白歌合戦はかつて、プロ中のプロ歌手の最大の見せ場であり、それゆえのまさかの歌詞の吹っ飛びやら、緊張のあまりのミスが伝染する。意地悪な国民は紅白のそんなまさかのハプニングを期待している。しかし、演者側の大緊張によるミスというような紅白歌合戦出場における国民的な価値はもはや皆無だ。歌謡曲や音楽業界の今年の新曲やレコード大賞、オリコンが、国民的な数字を取れなくなった時点で紅白歌合戦の役目は終わっている。それを言い出すと、男女を紅白にわけて歌合戦することそのものが、男女雇用機会均等法的には差別にあたるだろう(笑)。それを自虐的に桃色というオネェのコーナーまで用意しているNHKの周到さは別の意味でスゴイ。
なぜ?吉高由里子が赤組の司会なのか?
そして、今回の吉高由里子さんの抜擢は、当然朝ドラの「花子とアン」の女優としての仕事があったからだ。…であれば、「ごちそうさん」の杏さんでもよかった。しかし、杏さんでは、そつがない、予定どおりの司会をこなしてしまうのが目に浮かぶ。しかし、吉高由里子さんの場合は、予定通りなんてことは絶対にありえないからだ。だからこそ、NHKは吉高由里子さんを起用したという確信犯だ。
まさに、「正直、よくも(私をNHKが)選んだな」に象徴される。吉高ワールドにNHKは、ハプニングを期待しているのだ。
吉高由里子の司会には、すでにいくつもの地雷がセットされている。そのうち、どれが、どう起動するのかだけの問題だ。そのハプニングの地雷の理由を紹介してみよう。
紅白の吉高ワールドに期待する7つの理由だ。
【1】白組司会の嵐と、とても近すぎる関係
吉高由里子は映画「GANTZ」での二宮和也との共演以外にも嵐のメンバーとのバラエティの番組にはたくさん出演している。嵐のメンバーは吉高にとっては兄貴といった存在。嵐も吉高の性格やキャラを掴んでいるから、大舞台でも安心と思い込みガチ…。しかし、吉高は嵐を某番組でこう評価している。
二宮和也の印象
「スター」
櫻井翔の印象
「優等生ほどハジけたら怖い」
相葉雅紀の印象
「何でも欲しがるイジられ男」
松本潤の印象
「平成トレンディ」
大野智の印象
「一番変態」
まるで、女版の有吉だ。この近さでアドリブがでたら…かなり期待ができる(笑)。
また、上記の発言から、吉高由里子からの嵐のメンバーへのそれぞれの関係性は、このようなポジショニングになっていることが推測できる。
【2】敬語が使えない…ついついタメ口でしゃべってしまうクセ
吉高由里子は敬語が使えなくて、タメ口でしゃべってしまうクセがある。それは吉高が仲良くなりたいと思った時に、自然に敬語が消えてしまうからだそうだ。そのキモチがあるからタメ口であっても悪気がないことは理解できる。しかし、それは女優だからまだキャラとして許されるが、芸能界では、上下関係が厳しい。赤組のベテラン歌手に敬語を使わない司会者になる可能性はかなり高い。
【3】まわりを無視した抜群な企画妄想力
吉高の出演しているバラエティ番組の動画を検索して見てみると、TOKIOもぶっとぶような、突然の妄想やドッキリを仕掛けている。発想力が尋常ではないのだ。それを抜群な自然な演技力で試されるのだから、回りにものすごく対応力が求められる。嵐が吉高の暴走する妄想をどうカバーするのかが見ものなのだ。
【4】助詞や目的語がいつもない
吉高の発言には常に、「?」と聞き直さないいけないシーンがよくある。それは、助詞がなかったり、目的語を省略することのクセである。それは、日本語としてはおかしいのだが、前後の文脈からなんとか読み取ることができる。しかし、その瞬間に垣間見せる「吉高ワールド」の奇妙さに、紅白は陥れられることだろう。
とにかく、発言のひとつひとつが、"イチイチ" 気になるほど面白い使い方をする。新たな日本語の使い方なのだ。
【5】福田彩乃のモノマネする酔っぱらいイメージ
そして、吉高ワールドを支えるのが、福田彩乃さんがモノマネするトリスのハイボールのCM映像ドキュメントの拡大解釈だ。確かにデフォルメされてはいるが、吉高ワールドの気分の良さを見事に表現している。
元気ハツラツな吉高ワールドもあれば…
とても上品な吉高ワールドもある。
紅白の司会が順調にいきすぎたら、途中でハイボールを飲んでいただいて、「ウェーイ!」の一発くらい魅せてもらいたいと思う。
【6】何かが足りない分だけ、人と違うものを持っている
ここまで、目的語や助詞がなくて、ハナシがわかりにくいと散々なことを書いてきているが、そのコトバの足りない分を超越するほどのコトバのパワーが吉高ワールドの魅力でもある。彼女でしか表現しきれない世界がそこにはある。今まで、正統派とか清純派とか、実力派とか、すべて脳内ですでにイメージ化されたステレオタイプなスタイルの人格に女優を当てはめようとしてきた。しかし、吉高由里子はそのどれでもない吉高派なのだ。
【7】ヤラセ感のないまっすぐな感情表現ができるから
タクシーに乗った時に、運転手さんの横の助手席に乗り込み、運転手さんを「先輩呼び」して移動時間を楽しんだという吉高は言う。
普通、そんな女優はいないだろう…。天真爛漫すぎるというか、無邪気というか、向こう見ずというか…。そんんなハラハラ感をつねに吉高ワールドはみせてくれる。
2014年12月31日、今年の紅白は、紅白の歴史に残るような過去最高の放送事故を吉高ワールドが魅せてくれることに期待したい!