台風1号は4月として過去最大級の大きさに 関東は気温の急降下に要注意
4月としては過去最大級の大きさに
台風1号はフィリピンの東海上で発達を続けており、きょう12日(火)正午現在、中心気圧975hPa、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルの勢力で、北北西に進んでいます。
そしてこの台風の特徴は何といっても台風の大きさを決める風速15メートル以上の強風域(黄色い円)が広いことで、その直径は1260キロ(東側700キロ、西側560キロ)にも及び、本州付近をすっぽりと包み込んでしまうような大きさです。
ちなみに強風域の直径が1000キロ以上(半径500キロ以上)だと大型の台風となり、1600キロ以上(半径800キロ以上)だと超大型の台風となります。
海水温がとても高くなる夏場ならば大型の台風は何個も発生しますが、海水温がまだあまり高くない4月に大型の台風が発生することは珍しく、筆者が調べたところ、強風域の統計がある1977年以降では、1997年台風1号のわずか1例しかありませんでした。(1月3例、2月2例、3月なし)
この時の強風域の直径は約1100キロと発表されていますので、今回の台風1号の直径1260キロというのは、速報値ではありますが、4月としては過去最大級の大きな台風と呼べるものです。
このあと台風1号はさらに発達し、一時的に非常に強い勢力となった後、強い勢力を維持しながら15日(金)には小笠原諸島を直撃するように北東へ進む見込みで、小笠原諸島では暴風、高波、大雨などに厳重な警戒が必要です。
また台風のサイズが大きいため、関東以西の太平洋側でもあさって14日(木)頃から台風起源のうねりが届く見込みで、高波に要注意です。
4月の大型台風は1例のみ(1977年以降)
強風域の統計がある1977年以降で、4月に大型台風となったのは1997年台風1号の1例のみです。
今回の台風1号と似たような進路をとっていますが、4月20日9時から21日15時にかけて、非常に強い勢力とともに強風域の直径が約1100キロの大型の台風となっており、その後22日にかけて、小笠原諸島を直撃するように北東へ進みました。
4月の台風は勢力を強めることはありますが、大型まで大きくなることはとても珍しいと言えます。
関東は初夏から冬に戻ったような寒さに
きょう12日(火)も全国的に季節外れの陽気で、東京も25度以上の夏日となっていますが、この先は気温の急降下(季節の逆戻り)に要注意です。
東京の時系列予報をみると、あす13日(水)もまだ日中は25度くらいまで上がる初夏の陽気が続きますが、あさって14日(木)になると前線が南下し、雨が降るとともに北東の冷たい風に変わるため、日中にかけてほとんど気温が上がらないか、むしろ下がっていく予想となっています。
またこの予想よりも下がる計算もあり、あさって14日(木)の正午は12度くらいで、冬の寒さとなるかもしれません。
このまま台風の通り過ぎる16日(土)頃までは北風が吹く寒の戻りとなりそうですから、激しい寒暖差に注意が必要です。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)