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世界主要国の年齢階層別スマートフォン所有率をさぐる(2019年時点最新版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ もちろん高齢者にもスマートフォンを使う人はいるけれど。(写真:アフロ)

インターネットともに情報革命を引き起こした立役者であるスマートフォンは、年齢によって所有率に大きな違いがあると言われている。世界主要国におけるその実情を、アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年春に実施した携帯電話関連の世界規模での調査結果報告書「Smartphone Ownership Is Growing Rapidly Around the World, but Not Always Equally」(※)から確認する。

次以降に示すのは、スマートフォンの所有率。持っているだけで使っていない状況は想定し難いので、事実上利用率と同等と考えてよいだろう。なおスマートフォンは質問票では「インターネットやアプリケーションを利用できる携帯電話」と定義されている。

まずは先進国。なおグラフ上の国の並びは、それぞれの国の全体としてのスマートフォン所有率の高い順となっている。

↑ スマートフォン所有率(先進国、年齢階層別)(2018年春)
↑ スマートフォン所有率(先進国、年齢階層別)(2018年春)

もっともスマートフォン所有率が高い韓国では、年齢階層別の所有率にも大きな違いが無い。50歳以上でも91%もの人が所有している。これも今回調査国の中ではトップの値。35~49歳では100%という値まではじき出している。

中にはイスラエルのように35~49歳の方が18~34歳よりも高い値を示している国もあるが、おおよその国では18~34歳の所有率が一番高く、35~49歳は少しばかり低くなり、50歳以上で大きく下がる傾向を示している。そしてアルゼンチン以外では18~34歳や35~49歳の所有率の違いはさほど無く(カナダやハンガリー、ギリシャやロシアでは35~49歳がいくぶん低めだが)、50歳以上の所有率が全体の所有率を左右していることがうかがえる(年齢階層別の人口比も影響を与えているが、今調査の限りではその実情を確認することはできない)。

日本は18~34歳で96%、35~49歳で93%だが、50歳以上では44%に留まっている。この低さが、全体のスマートフォン所有率の足を引っ張っているのだろう。

続いて新興国。

↑ スマートフォン所有率(新興国、年齢階層別)(2018年春)
↑ スマートフォン所有率(新興国、年齢階層別)(2018年春)

全体の値が先進国と比べて低いが、それに加えて18~34歳と35~49歳の間の差異が大きく、スマートフォンの普及がまだ若年層の間で進んでいる段階であることがうかがえる。デジタル機器は往々にして、まずは若年層の間で広まり、次いで中年層、そして高齢層に浸透していく傾向があるからだ。

人口が多いことで知られているインドでは18~34歳で37%だが35~49歳では21%、50歳以上では8%に留まっている。今後スマートフォンの所有率が上昇していくに連れ、世界に及ぼす影響もまた、小さからぬものとなるであろうことは容易に想像できよう。

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※「Smartphone Ownership Is Growing Rapidly Around the World, but Not Always Equally」

2018年春に対象国に居住する18歳以上の人に対し、電話による通話あるいは対面回答方式によって行われたもので、調査対象数は各国1000~1500人程度。それぞれの国の国勢調査の結果に基づいたウェイトバックが実施されている。対象国は先進国として韓国、イスラエル、オランダ、スウェーデン、オーストラリア、アメリカ合衆国、スペイン、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、アルゼンチン、日本、カナダ、ハンガリー、ポーランド、ロシア、ギリシャ。新興国として南アフリカ、ブラジル、フィリピン、メキシコ、チュニジア、インドネシア、ケニア、ナイジェリア、インド。

なお今記事では携帯電話=スマートフォン+従来型携帯電話(ガラケー、フィーチャーフォン)などと定義している。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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