夢の甲子園をめざして北から、南から球音! 大阪桐蔭・前田、今夏の初登板はいつ?
夏の甲子園をめざす全国の地方大会は、沖縄と南北北海道を皮切りに、今週末には全国で本格化する。南北海道大会では、昨夏の代表校が早くも敗れる波乱があり、沖縄では8強が決まっている。また、全国最注目の大阪桐蔭・前田悠伍(3年・主将=タイトル写真)は先日、元気な姿を見せた。
昨夏ワンツーが敗退の南北海道
北海道は、まず地区別に予選があり、そこを勝ち抜いたそれぞれ16校による北北海道大会、南北海道大会が行われる。南大会では波乱があり、昨夏の代表校、準優勝校が早くも敗退した。昨夏代表の札幌大谷は、札幌地区Fブロックの代表決定戦で、甲子園経験のある名門進学校の札幌南に7-11で打ち負けた。6回の一挙10失点が響き、追い上げも及ばなかった。また昨夏は剛腕・坂本拓己(ヤクルト)の活躍で全国から注目された知内も、函館地区Bブロックの代表決定戦で進学校の函館中部に敗れた。南大会は、昨夏のワンツーを欠いての本大会突入となる。
北からはあの人もOBだった足寄が旋風
北大会では、2年連続センバツ出場のクラーク記念国際を追って、異色のチームが本大会初進出を決めている。歌手の松山千春さん(67)の出身校として知られる足寄(あしょろ)で、十勝地区Bブロックで、いずれも甲子園経験のある帯広柏葉、帯広三条、帯広北を連破した。特に代表決定戦となった帯広北には、終始リードされる苦しい展開だったが、終盤3回で計7点を奪っての逆転サヨナラ勝ちだった。率いる元日本ハムの池田剛基監督(38)は、鵡川の主将としてセンバツに出場し、「キャプテントーク」で会話したことを懐かしく思い出している。本大会でも「足寄旋風」が吹き荒れるか。ちなみに足寄の野球部からは、西武で活躍した左腕の三井浩二投手(49)が出ていて、国会議員の鈴木宗男氏(75)も野球部員だったようである。
沖縄は沖縄尚学が継続試合を勝って8強入り
沖縄大会は、日曜日からの継続試合を勝ち抜いたセンバツ出場の沖縄尚学を最後に、8強が出揃った。準々決勝で当たる未来沖縄は近年、力をつけていて油断ならないが、エース・東恩納蒼(3年)、主砲・仲田侑仁(3年)と、投打の柱がしっかりしている沖縄尚学の優位は動かない。ライバルと目される興南、ウェルネス沖縄とは決勝まで当たらない組み合わせで、秋、春とも不振だった昨夏代表の興南の巻き返しに注目したい。
大阪桐蔭の前田は「万全」を強調
今週末からは全国に球音が広がる。近畿では兵庫がすでに開幕した。今季の近畿で最もレベルが高い兵庫は、報徳学園、滝川二、神戸国際大付、社などの有力校がシードされた。16校が残った段階で再抽選がある。5回戦以降の組み合わせが、優勝争いを左右しそうだ。大阪では4回戦進出32校での再抽選がある。ノーシードの履正社は2回戦からの登場で、甲子園経験のある春日丘、大産大付と同じブロックに入った。大阪桐蔭は、春季大会でベンチを外れていた大エースの前田が、練習公開日に投球を披露し、「不安はない」と万全を強調していた。チームは寝屋川-早稲田摂陵の勝者と当たる2回戦が今夏の初戦となるが、前田の初登板が待ち遠しい。