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NY金1日:ADP雇用統計を受けて急反発、低金利政策長期化への警戒感

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

COMEX金4月限 前日比25.00ドル高

始値 1,182.90ドル

高値 1,208.20ドル

安値 1,181.00ドル

終値 1,208.10ドル

米雇用情勢に対して慎重な見方が強まる中、急反発した。

アジア・欧州タイムは1,180~1,190ドルのレンジで揉み合う展開になったが、ニューヨークタイム入り後に急伸地合を形成し、1,200ドルの節目も回復する展開になっている。3月ADP雇用統計が発表されているが、民間雇用者数が前月比+18.9万人と2014年1月以来の低い伸び幅に留まり、市場予測+22.5万人を大きく下回ったことが材料視されている。ADPは労働市場のスラックを吸収するには十分な雇用増が続いていると報告しているが、原油安やドル高が雇用にダメージを及ぼしているとの見方も示しており、3日に労働省が発表する雇用統計も伸び悩むことに対する警戒感が強くなっている。

米金融政策は、雇用とインフレ環境の二つによって決まるが、最近は低インフレに伴う緩和プレッシャーを、良好な雇用による引き締めプレッシャーで相殺する形で、早期利上げ観測を盛り上げてきた。しかし、ここで雇用にも鈍化圧力が強まれば、低金利政策の長期化プレッシャーが強まることになり、ドル相場高・金相場安のトレンドに対しては逆風になり得る。3月ISM製造業指数の雇用指数も前月の51.4から50.0まで低下し、2013年5月以来の低水準を記録している。

基本的に良好な雇用情勢に変化はみられず、雇用悪化を手掛かりに金相場が急伸するような展開は想定しづらい。ただ、3月米雇用統計でも雇用者数の伸び鈍化が報告されれば、金価格の下落ペースは緩やかなものにならざるを得ない。非米国の金融政策環境を考慮すれば「ドル高→ドル建て金相場下落」のフローに変化はないと考えているが、雇用統計の結果で米利上げ見通しが大きく修正を迫られれば、金相場の下値切り下げには時間が要求されることになる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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