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読書感想文で入賞しやすい本はある?おすすめの選び方を元教師が解説

YORI先生元教師/子育て・教育系ライター

読書感想文を書く際には、まず本の選定から始まります。そんなとき、そもそも「読書感想文で入賞しやすい本はあるのか」「どんな本を選べば良いのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、そうした疑問に元中学・高校教師の私がお答えしていきます。

読書感想文で入賞しやすい本はある?

読書感想文で大切なことは、「どの本を選んだか」ではなく「本を読んで何を考えたか」です。つまり、読書感想文で入賞しやすい本というのは基本的に存在しません。教員経験を踏まえて話をすると、読書感想文において審査員受けが良さそうな本を選ぶ、といったことは不要だと考えられます。

コンクール入賞者が選んだ本

ちなみに、過去の入賞者が読んだ本にはどんなものがあるのかをご紹介しておきます。

以下は、第69回青少年読書感想文全国コンクールで内閣総理大臣賞に選ばれた人が読んだ本です(この本の感想文で入賞)。

  • 内閣総理大臣賞 小学校低学年の部:「プラスチック星にはなりたくない! 地球のためにできること」(ひさかたチャイルド)
  • 内閣総理大臣賞 小学校中学年の部:「化石のよぶ声がきこえる 天才恐竜ハンターウェンディ・スロボーダ」(くもん出版)
  • 内閣総理大臣賞 小学校高学年の部:「中村哲物語 大地をうるおし平和につくした医師」(汐文社)
  • 内閣総理大臣賞 中学校の部:「博士の愛した数式」(新潮社)
  • 内閣総理大臣賞 高等学校の部:「ラブカは静かに弓を持つ」(集英社)

このコンクールには課題図書があるため、いくつかの本から1つを選んで感想文を書く形になりますが、選ばれた本の出版社やジャンルはバラバラであることがわかります。そのため、「このジャンルの本を選んだから有利になる」、ということはないでしょう。

元教師おすすめ!読書感想文の本の選び方

読書感想文用の本を選ぶなら、以下の方法がおすすめです。

【読書感想文の本の選び方】
・自分が読んでみたい本を選ぶ
・自分の心が動いた本を選ぶ
・年齢や境遇が同じ主人公の本を選ぶ

自分が読んでみたい本を選ぶ

読書感想文の本を選ぶ際に最も重要なのは「自分が読んでみたい本を選ぶ」ということです。読書感想文を書く際には、

  • 本を選んだきっかけ
  • 本を読んだ感想
  • 本を読んだ後に実行したいこと

を入れるのが良いとされています。

例えば、本を選んだきっかけが書きづらいとそこでつまづいてしまいます。本当に読みたい本を選べば、なぜこの本を読みたいと思ったのかが書きやすいですよね。

また、本を読んだ感想やその後行動したいことについては、子どもが興味のないテーマを選んでしまうと筆が進まなくなります。そのため、読書感想文を書くなら「子どもが自ら興味が持てる本を選ぶ」ということが大切なのです。

自分の心が動いた本を選ぶ

読書感想文で課題図書が決まっていなければ、これまで読んだ本の中から選ぶのもありです。最近読んだ本の中で、自分の心が最も動いた本を選ぶと良いでしょう。読書感想文では、「本を読んで何を考えたのか」を書く必要があるため、そうした感想が書きやすい本を選ぶのが良いでしょう。

年齢や境遇が同じ主人公の本を選ぶ

特に読みたい本がない、という場合は自分と年齢や境遇が同じ主人公の本を選ぶと良いですよ。本の登場人物の気持ちになって考えるというのはかなり重要です。そのため、感情移入しやすいような主人公の本を選ぶのがおすすめです。

読書感想文で入賞しやすい本は「子どもが自ら興味が持てる本」

読書感想文では、特に指定がなければ「子どもが自ら興味が持てる本」を選ぶのが大切です。読書感想文で入賞するのは、自分の体験談が含まれていたり導入からまとめまで自分の言葉でしっかりと書かれている作文です。読書感想文で大切なことは、「どの本を選んだか」ではなく「本を読んで何を考えたか」です。そのため、子どもが自ら興味を持ち、本を読んで

「楽しい」「面白い」「感動した」「驚いた」

といった感想が持てることが大切なのです。読書感想文の本は、実際に図書館や本屋へ行き、子どもが手に取ったものを選ぶと良いでしょう。

元教師/子育て・教育系ライター

出産前までは中学校や高校で教員として働いていました。また、学生時代には家庭教師や塾講師などでも経験しました。これまでの教員生活や教育活動、自身の子育て経験を活かして、学校生活や学習、育児での悩みが解決できるような情報を発信していきます。

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