【京都市西京区】ドラマのワンシーンのような幻想的な風景 ネコヤナギやかわうそ、二ホンカワトンボも生息
四条通の西端となる西京区と右京区にまたがる橋を松尾橋といいます。2024年10月11日に秋晴れの中で河川敷を下流に下がってみるといろんな風景を楽しむことができました。
松尾橋は、明治28年(1895年)発行の「京都名所独案内」に「梅津川は大井川の流なり 此所に舟渡しあり山田渡しといふ 材木を商う民家多し」とあって、かつては舟で渡っていたことがうかがえます。明治期から昭和期にかけてかけられた木造の橋は、三度の流出に遭っているのだそう。
昭和28年(1953年)に鉄筋コンクリートの道路橋となって今に至っています。かつて時代劇隆盛の時代には、東映や松竹の撮影所が近いこともあり、その木造の橋が絶好のロケ地ともなっていたようです。現代劇でも見かける橋上から覗くと流れ着いた人が倒れているシーンなどには登場するようです。
下流の桂川の沿岸には広々とした野球場やゲートボール場などがある「桂川運動公園」と「芝生公園」、「花壇公園」が広がっています。ここから北側に目をやると松尾橋を挟んで愛宕山を望むことが出来ます。
桂川や桂川河川敷には豊かな自然が広がり、水際や公園下流部はネコヤナギやかわうそ、二ホンカワトンボなど固有の特徴的な生物が生息しているため、水際部のグリーンベルトを保全するために草木を刈り残して、生物が住みやすい環境を保持しているのだそうです。
さらに下流に歩いていくと朝日に照らされてネコヤナギが点在して群生していました。まるでドラマのワンシーンで荒野にポツンと投げ出されたかのような幻想的な光景でした。
冬将軍のやってくるわずかの期間ですが、おだやかな気候の中で散策を楽しんでみるのも一興ではないですか!
松尾橋 京都市西京区嵐山宮ノ前町