自分の部屋がある? 自分のテレビを持ってる? ちょっと気になるいまどきの子供事情
小学生では4人に1人が個室持ち
子供の個性や自主精神を伸ばすため、あるいは子供の自立心の高まりと共に求められるのが、子供部屋や子供が占有できるテレビの存在。その実情を少年教育振興機構が2014年6月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の各種公開データから確認していく。
まずは子供が「自分の部屋(個室)」を持っているか否かを尋ねた結果。兄弟との共同利用では無く、回答者一人だけの部屋との意味。施錠が可能か否かは尋ねていない。
小学1年生では1/4、これが小学6年生になると45.8%、中学生では大よそ2/3、高校生では3/4にまで自室保有率が増加する。子供に個室を与えることは、教育方針や住宅の間取りの問題、世帯構成などの理由によるところもあるが、多くは子供の成長と共に子供自身の要望が高まり、許可を与えるようだ。また中学校以上になると深夜まで勉強をする機会が多くなるため、静かな環境が必要との理由で個室を許可されることもあるのだろう。
なお経年による状況の変化は確認できない(グラフは省略する)。
子供のテレビ離れ?
続いて個別のテレビを与えるか否か。リビングなどで家族共用とは別に子供専用のテレビが用意されている状況は考えにくいので、設問は「子供の個室に子供専用のテレビがあるか否か」と解釈しても問題は無い。また、携帯電話などのワンセグは、視聴環境を有していても該当しないと判断するのが普通。携帯電話所有者が「テレビ(番組)を観る」と語っても、「テレビを持っている」と受け答えはしない。
学年が上になるに連れ、保有率も増えていく。また自室保有率と似たような動きを示していることから、自室が与えられている人ほどテレビを持たされる可能性も高いことが分かる(ただし直接問い合わせているわけではないので確証では無い)。
これを経年変化で見ると、明らかに減少している。
14年の間に6.7%ポイントの減少、大よそ6割ほどの低下が見られる。テレビそのものの視聴離れか、ワンセグなどの視聴機会への分散による結果か、今データだけでは判断は難しい。もっとも今調査の連動しそうな他の項目「テレビやビデオ、DVDなどを見ること」の動向を確認すると、そちらも似たような形で減少している。
これらのことから、家族そろってテレビを観るようになったのでは無く、ワンセグなどで観るようになったのでも無く、テレビそのものから距離を置いている可能性は高い。
同時期に子供達の間では、インターネットの利用時間が伸び、携帯電話の所有率も増加している。子供達の娯楽は少しずつテレビからネットにシフトしていそうである。
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