【長岡市】不登校の子の力にもなりたいと語る、74歳の挑戦。アツアツの焼きいもがつなげる熱い想いとは。
長岡駅大手口から歩いて約5分。
長岡市殿町一丁目、日本ビジネス公務員専門学校手前に見える緑の看板。
こちらが昭和53年創業の「東京カメラ」です。
実は今こちらでなんと「焼きいも」が買えるのはご存じですか?
カメラ屋さんで焼きいも? と思いがちですが…
さっそく店内におじゃましてみました。
こちらでは金券や新幹線チケットなど、買取販売も行っています。
もちろんカメラ屋さん。中古カメラ、レンズ、新品デジカメも並んでいます。
そんなお店の奥に見える「やきいも」の文字。
やきいものノボリの裏側には、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気が広がっていました。
「人がやらないことをしたくて始めたんだ。」そう話す、こちらは代表取締役の関矢耕三さんです。長岡市でも不登校の子が増えている、そんな子の力になりたいと考えているそうです。
もともとこちらで焼きいもを始めたきっかけは「若い皆さんと接点を持ちたくて」とのこと。新鮮な地元食材は地産地消のJA中越なじらてい東店から、毎日仕入れているそうです。
こちらは30年使っているという薪ストーブは、デンマークのアンデルセンストーブ。今でも現役で活躍しています。
薪の代わりにもなるこちら、夏の間に新聞紙を水につけてから乾かして作ったものだそうです。なんとこれ1つで新聞紙2日分と言うのだから驚きです。
使用しているマッチも長岡市で有名な、リボン印の東亜マッチ。どこまでもノスタルジックな雰囲気は気分までワクワクさせてくれます。
おいもは時期によって変わることも。この日はシルクスイートと紅はるか、安納芋の3種類のさつまいもと干し芋がありました。焼きいもはポクポク系より、ねっとり派な私にはかなり嬉しいラインナップです。
こちらがサイズ見本帳。大・中・小のサイズはこちらのしゃもじを定規代わりにして測るようです。狙って書けない「小さいず」、ついつい「ちいさいず」と読んで萌える私。
焼きいもはまず、こちらのオーブンで焼いていきます。
そのあと薪ストーブの上のダッチオーブンに移して保温。こちらのダッチオーブンも長年使ってきたものだそうです。
「芋保温」の札は関矢さんがオリジナルで作ったもの。「東京カメラ」の焼き印が現代はオシャレに見えてしまうから不思議ですよね。
ダッチオーブンのフタを開けた中には…
アツアツの石の上にぎっしりと美味しそうな焼きいもが並んでいました。こちらはシルクスイートだそうです。
ねっとりしっとりとした焼きいもは自然な甘さ。
ねっとりホクホクの焼きいもは食べすぎ注意です。
こちらは干し芋。芋本来の甘さが素材の味を引き立てます。
お茶をいただきながら薪ストーブの近くでお話する空間。まるでおじいちゃんの家にいったような気分で過ごすことができました。
関矢さんが2000年に制作した「206人の轍(わだち)100年」は、ともに80歳以上のご夫婦103組を撮影した写真集。当時、長岡中央市立図書館2Fの美術センターでも写真展を行ったそうです。タイトルはサザンオールスターズのあの名曲から来てるとか。
「また遊びにきてもいいですか?」と尋ねると「あぁ、いつでもおいで。」と優しく答えてくれました。皆さんも居場所のひとつとして、いつでも遊びに行ってみてくださいね。
おいしい焼きいもと、優しい空間が待っていますよ。
東京カメラ
新潟県長岡市殿町1-1-4
TEL:0258-33-9199
営業時間:8:00~19:00(2024年3月現在、18:00で閉めることも多いそうです)
定休日:日曜日
駐車場:1台