無線LANの不都合な真実!?
公衆無線LANの利用で、「今まで(昨日は)つながっていたのに急につながらなくなった!?」というときの原因で、意外に多いのは無線LANのチャネル干渉です。公衆無線LANの利用者が急激に増えたこともあってチャネル(周波数帯域)が足らなくなっているのです。無線LAN(ルータ)が設置されているからといって、何人でも使えるわけではありません。携帯電話でも同じなのですが、同時に利用できる人数には上限があるのです。利用する人が増えると、まずチャネル干渉が起こり、著しく速度が落ちたり、場合によっては切断されたりします。さらに増えると最初からつながらないのです。公衆無線LANが設置されているからといって、必ずつながる事は保証されていません。
無線LANには不正アクセスの問題が付きまといます。一般には無線LANの利用に関しては、無線LAN自体を暗号化し、かつその無線LANを利用するための認証を厳格にする事が求められます。有線LANでも厳格な認証が求められる事から、セキュリティに関しても、無線LANも有線LANと同じように考えがちです。有線LANの場合、社屋内であれば、そのアクセスに関して、人の目で監視する事が出来ます。物理的にアクセスする為には、その社屋内に入らなければならないのです。しかし無線LANの場合、その電波が届く範囲では、ユーザ認証さえ通れば、人の目の監視が行き届かない場所からもアクセス可能なのです。無線LANで利用する電波の届く範囲を限定する事は容易ではありません。
さらにもう一つ、不正アクセスポイントの問題が有ります。これも電波を届く範囲を制御できない事が理由です。先の不正アクセスとは逆で、無線LANを利用する正規ユーザのエリアに電波を紛れ込ませ、偽のアクセスポイントを作り、そこへ誘導するのです。誘導された後はIDとパスワードの入力を求められ、それらを不正に搾取されたりします。
無線LANの利用は、一般家庭であっても、これらは注意すべき事柄ですが、厳格な運用が求められる組織では特に注意を要する点であり、安易に無線LANを推奨できない理由でもあるのです。
【追記(2015年11月27日)】補足として「無線LANの不都合な真実!?【実践編】」を掲載しました。