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【長崎市】絶景!360度の眺望こしき岩公園展望台。家族で楽しめる、神秘的な甑岩神社までの歴史さんぽ道

misahanaライター(長崎市)
2024/6/16取材・撮影

突然ですが、みなさん、こしき岩公園に行ったことはありますか?山登りをする方は、ご存知かもしれませんね。飯香浦(いかのうら)町、田手原(たでわら)町あたりに位置する公園です。

私、子どもが生まれてから、公園探しが趣味になりまして…。どうやら近くに神社もあるようだと、ウキウキで出かけてみました。

こしき岩公園への入口
こしき岩公園への入口

公園への入り口は、市中心部から日吉自然の家へ向かう途中にありました。甑岩(こしきいわ)神社鳥居が目印です。すぐそばには、長崎バスの「こしき岩」停留所もあります。

鳥居の横には、銅像が建立されています。有名な方なのだろうか…と思いながらも、私には解読できませんでした。調べてみたところ、森田丈市君像(もしくは丈太郎)というそう。長崎の街歩きといえばこのお方!山口広助さんの『広助の丸山歴史散歩』のブログにて、学ばせていただきました。

森田丈市(または丈太郎)君像
森田丈市(または丈太郎)君像

森田丈市さんがどのような方なのか、ブログを要約してご紹介すると…。

江戸から明治期にかけて、長崎から田手原、飯香浦地区に通じる約8kmの道は大変な悪路で、大雨など災害が起これば地区は孤立していたそうです。また、地区に医者がいないため、急病人が出ても医者を呼べずに亡くなってしまうことも。このような問題解決のため、長年地区の自治に従事していた森田丈市(または丈太郎)が、20年以上にわたり行政と交渉し尽力。見事に悲願が叶い道路が完成したそうです。道路完成後、地区の産業発展や医療面が充実しました。その功績が称えられて、昭和15年に銅像が建立されました。

遊歩道入口
遊歩道入口

ここまでの道中が、こんなにも苦労をかけて切り開かれた道だったとは…。とても勉強になりました。出だしから歴史が深く、神社への期待も高まります。では、早速上っていきましょう!

鳥居横には、整備された遊歩道があり、公園までつながっています。公園には、無料駐車場があるため、車で上がることもできました。ただし、狭い道のためご注意を。離合スぺースが数か所あります。

展望台までの階段
展望台までの階段

駐車場の隣には、広いグラウンドがありました。こちらがこしき岩公園のようです。まずは、駐車場の目の前にある階段を上り、展望台を目指します。木々のトンネルがとてもきれいです。

展望台
展望台

長い階段ではないため、お子さんと一緒に上れそうです。すぐに展望台が見えてきました。

とても見晴らしの良い展望台です。正面には、長崎港が見えます。女神大橋や稲佐山、遠くには天草、雲仙岳まで、360度ぐるりと見渡すことができます。最高な眺めです。

展望台からの眺め。長崎港。
展望台からの眺め。長崎港。

甑岩の標高は、363mと記載がありました。稲佐山(333m)よりも少し高いのですね。とても気持ちが良いです。

来た道を戻っても良いですが、もう一本グラウンドのそばまで下りられる道がありました。甑飯岩神社の看板も出てきます。

神社までの道も、きれいに手入れされており、とても歩きやすいです。青々とした木々の風が心地よく、子どもとのお散歩に最適でした。

少し歩くと、神社の鳥居を発見。鳥居付近には、仏像やフェンスに囲われた石の灯篭がありました。灯篭には、月印が彫られています。

鳥居には、甑飯神社と記されてありましたが、看板などでは、「甑岩」や「小甑岩」など様々な表記を見かけました。そもそも、って何だろうと辞書で調べてみたところ、蒸し器のことなんですね。穀物を蒸す道具のことだそうです。私、今回初めて知りました。

再び登場、私の教科書である広助の丸山歴史散歩』によると、3~4世紀、神功皇后の朝鮮出兵(三韓征伐)の際、朝鮮が見えるところを探すため山の頂に立ち、そこで昼食をとることになったそう。その際、飯を炊いたことから、甑岩となったという言い伝えがあるそうです。

更に、その炊きあがった香りが入江へと流れ、その入江を飯香浦と呼ぶようになったとか。まさか、飯香浦という珍しい地名が、ここ甑岩からつながっていたとは驚きです。よほど皇后様のご飯は、良い香りがしたのでしょうか。

近くからだと分かりにくいですが、どうやら甑岩は、ひとつの大きな岩のようです。とても神秘的な空間で、迫力があります。こちらは仁王像でしょうか。

甑岩神社は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀っているそうです。神社のぞばには、大小さまざまな仏像がならんでいます。神社の建立は定かではないようですが、古くから地域の方々にとって神聖な場所だったことがよく分かります。

甑岩にまつわる言い伝えは、他にもいろいろあるようです。『広助の丸山歴史散歩』にて紹介されていますので、ぜひご覧ください。

神社の目の前からは、橘湾が見えました。下の入江が飯香浦町でしょうか。こちらからの景色も素晴らしいです。岩肌のひんやりした空気が気持ちよく、美しい景色にも元気をもらえました。

この先には、山道もありました。日吉自然の家のオリエンテーリングでも使われているようで、次回は、そちらも散策してみたいと思います。

神社からの眺望。橘湾
神社からの眺望。橘湾

こしき岩展望台と甑岩神社、自然と歴史を両方感じられるとても素敵な場所でした。梅雨の晴れ間のお出かけに、家族みんなでいかがでしょうか?

こしき岩公園・展望台、甑岩神社
場所:田手原町(飯香浦町)
アクセス:長崎バス「こしき岩」停留所にて下車
駐車場:あり(無料)
参考:山口広助さま『広助の丸山歴史散歩』ブログ、公式Instagram
取材協力:山口広助さま

ライター(長崎市)

生まれも育ちも長崎市。長崎くんちが待ち遠しい「じげもん」です。初めての育児に奮闘中!古民家カフェとローカルな史跡巡りが好き。長崎での暮らしが、今よりもっと楽しくなるような情報をお届けします。

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