今年の梅雨は長かった? 今後は東北地方も厳しい暑さに
きょう7月29日、関東甲信地方の「梅雨明け」が発表されました。東北地方は、不安定降水により発表が見送られている状況(29日時点)ですが、気圧配置をみると、もう実質梅雨は明けており、発表は時間の問題かと思います。
これから本格的な夏となるわけですが、今年は「長い梅雨だった」という言葉がいろんなところから聞こえてきます。では、今年の梅雨は本当に長かったのか。東北南部、特に宮城県について見てみます。
梅雨入りは早く、梅雨明けは遅い
今年の東北南部の梅雨入りは、6月7日ごろ。平年より5日早くなりました。梅雨前線の北上というよりも、オホーツク海高気圧によって曇りや雨が多くなることが理由で梅雨入りしました。西日本よりも梅雨入りが早くなるという逆転現象が起きたことでも話題になりました。
そして、東北南部の梅雨明けの平年は7月25日ごろですが、きょう29日の時点でまだ発表されていません。
梅雨の期間をみると、確かに平年より長い梅雨ということがいえます。しかし、長いと感じた理由は、単に期間の問題ではなく、その「中身の濃さ」だったように思います。
ひたすら曇りや雨
東北地方、特に太平洋側の梅雨といえば、どんよりと曇って気温も上がらない。強い雨こそ少ないものの、霧雨のような弱い雨が降ったり止んだりする、というのが、典型的な梅雨のパターンですが、今年はまさにそんな梅雨でした。
梅雨の準主役ともいえる「オホーツク海高気圧」が何度か現れ、特に6月末からは、毎日のように曇りで時々弱い雨が降るような日が続きました。きのう7月28日までの30日間(6月29日~7月28日)の日照時間は、仙台で平年の69%、宮城県南部の白石では平年の半分以下の48%にとどまり、日差しが少なかったことがデータにも如実に表れています。
このことが、梅雨を長く感じさせた大きな理由であったと思います。また、去年の梅雨明けが早かったことも、今年の「梅雨らしい梅雨」を際立たせました。
こうした日照不足と低温は、イネの生育にも影響しました。7月17日に取材した農家の方によると、低温に弱い「ササニシキ」は、例年よりも草丈が短く、株数もやや少なくなっているとのことでした。収穫期に大きな影響が出ていないことを願うばかりです。
今週がこの夏の暑さのピークか!?
この先1週間程度は、太平洋高気圧が北日本付近まで張り出す状態が続きます。さらには、上層の「チベット高気圧」も一時的に強まるため、日本列島は背の高い高気圧に覆われます。去年の猛暑の時と同じような状況で、東北地方も厳しい暑さに見舞われます。今週が、この夏の暑さのピークともいえそうです。
急に暑くなると、熱中症のリスクはより高くなるとされているため、今週は特に注意が必要といえそうです。また、農作物は、低温から一転、高温への対策が必要になってくるかもしれません。