気象庁 19年ぶりホームページを一新 活用に課題も
気象庁は20日午前、大規模なシステム障害を受けて、24日公開予定の新しいホームページを急きょ、利用できるようにした。地域の防災情報支援を打ち出した、新ホームページは気象情報を取り巻く課題も浮き彫りにする。
気象庁でシステム障害 新HP公開で対応
20日0時55分頃、気象庁で大規模なシステム障害が発生し、ホームページが一時、閲覧できなくなりました。バックアップサイトに切り替え、復旧に向けた作業が続けられた結果、10時50分頃に復旧しました。
このシステム障害を受けて、気象庁は急きょ、今月24日公開予定の新しいホームページ(地域の防災情報)のURLを公開し、こちらを利用するよう呼びかけを行いました。
19年ぶり 気象庁HP一新
気象庁は16日、次期ホームページの概要を発表しました。スマートフォンとの連携、地域の防災情報をわかりやすく表示することが主な狙いで、今回は2002年以来、19年ぶりに大きく変わることになります。
竜巻注意情報、土砂災害警戒情報、危険度分布、高温注意情報など、気象情報に求められるニーズは年を追うごとに増えていて、気象庁のホームページにはさまざまな情報が掲載されるようになりました。日々、気象情報に接している私でさえも、混乱することが多いです。
そもそも、気象庁がホームページを開設したのは1996年です。当初は天気予報や警報・注意報などの気象情報は掲載されていませんでした。今のように気象情報が掲載されるようになったのは2002年のリニューアルからです。
民業圧迫の声も
当時は気象情報の公開に、歓迎する声は少なく、むしろ無料で天気予報を公開することは民間気象会社の経営を圧迫するとの指摘が相次ぎました。ただ、私は民業圧迫とはあまり深くは思わず、気象情報を利用できるほうがありがたいと思った記憶があります。
それまでは大雨や暴風のときだけでなく、日々知りたいことがあるたびに、各地の気象台に電話して、さまざまなことを教えてもらいました。今思えば、実務に必要な知識がほとんどなかった私にとって、貴重な勉強の時間であったように思います。
個人仕様を前面に
先ほどのシステム障害により、公開された地域の防災情報のホームページを見てみました。これまでにないレイアウトで、慣れるまで時間がかかりそうな印象です。
ひとりひとり、必要とされる気象情報は違います。これまでのように人がホームページに合わせるのではなく、ホームページが人に合わせてくれる、新しい時代になったと感じました。
一方で、これを十分に使いこなせるのだろうかと疑問も。画面にはアイコン(操作や物事などを絵で表したもの)が増えましたが、文字が主であることに変わりはなく、中途半端な印象です。
増えるばかりの気象情報をどのように防災、減災に活かすのか、気象庁の新ホームページは課題も浮き彫りにしたように思います。
【参考資料】
気象庁:気象庁ホームページのリニューアルについて、2021年2月16日
気象庁:気象庁ホームページ全体障害について(~第4報)、2021年2月20日