SkypeのCEOがZoomにブチ切れる動画が拡散→じつはYouTuberのなりきりコメディ
ビデオチャットサービス『Skype(スカイプ)』のCEOが、ライバルの『Zoom』についてブチ切れる動画が面白いと『Twitter』で話題となり、現在5万件以上リツイートされる事態となっています。
しかし、その動画の人物は『Skype』のCEOではありません。偽者です。
正体は海外YouTuberのパロディ動画
拡散している動画は海外の人気YouTubeチャンネル『CollegeHumor』が3月18日に公開したもので、『Skype』のCEOになりきって『Zoom』に対して怒るという内容です。
匿名の人物が、これに日本語字幕をつけたものをYouTubeで4月16日に公開しました。
公開された転載動画には元動画へのリンクもなく、チャンネルにはこの動画しかありません。
そのせいか、『カップラーメン』や『世にも奇妙な物語』などの演出を手掛けるCMディレクターが(おそらく)本物と思い、転載動画の一部を切り取ったうえで「スカイプのCEO、チャーミングすぎんだろ」と『Twitter』に4月19日に投稿(4月21日に削除を確認)。
同様に本物と思った人たちが「面白すぎる」とリツイートし、投稿から一晩たっただけであっという間に5万件も拡散される事態となりました。
このツイートが単体で拡散しているだけならまだしも、世の中でインフルエンサーと呼ばれる人たちもこぞって自分のツイートとして動画を転載しており(事例1,2,3,4)、「これは訂正する記事を書かないと誤解が広がったままになる」と思ったので筆をとった次第です(というかTwitterのシステムを利用しているとはいえ、転載動画の切り抜きをさらに転載するの行儀悪すぎじゃないですか?)。
「面白い」けど「なりきりの偽者」だとは知っていた方がいい
世間が面白がっているときに「それ偽者ですよー」と水をさすような行為は、まああんまり歓迎されないことはわかっています。
ただ、これを放置しておくと「『Skype』のCEOって、前に『Zoom』にブチ切れてた動画出してたよね。あれ面白かった」とのデマが広がることになります。
けれども偽者だと知っている人がいれば「ああ、あのパロディ動画、面白いよね」となり、「『Skype』のCEOが『Zoom』にブチ切れる動画を出した」という事実と異なる話は広がりません。そして、それが動画の面白さを損なうわけでもありません。
今回の話は以上です。
ちなみに『Skype』云々の話をはぶくと、海外YouTuberの動画に勝手に字幕をつけて盗用した動画を、さらに切り取って盗用したツイートがバズリ、それが拡散してデマが生まれるこの流れはけっこう地獄だなと思いました。