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阪神ファームは鳴尾浜で紅白戦、伊藤隼太が実戦復帰しました

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

13日の鳴尾浜での紅白戦が終わった後、選手やコーチから「1軍はどうなった?」「まだ同点のまま?」と質問されるためスマートフォンで阪神巨人戦の経過を見ていたのです。でも新井選手の併殺打で(これまた金本さんの餌食になるでしょうねえ)延長戦に入った時、球場を離れてバスに乗りました。

バスの無線で知ったサヨナラ勝ち

ワンセグが不調だったため、車中でも引き続きスマホで経過をチェック。あと5分くらいで甲子園駅というあたりで試合は10回の裏、再び2死満塁とチャンスを迎えます。代打・関本選手が打席に入り、さあサヨナラか?とワクワクドキドキしていた、その時!ドライバーさんへの業務連絡でしょうか、バス会社からの無線連絡が入ったのです。

「甲子園球場は試合が終わりました。お客様が一斉に出て来られますので、周辺道路の走行は注意してください」

あ…終わったのね。ということはサヨナラ勝ちしたのね。嬉しいけど何だか悔しい複雑な心境になった時、ようやくスマホの情報が更新されました。やはりサヨナラ勝ちのようです。バスを降りると球場から、インタビューに答えるヒーロー・関本選手の声が。出てこられるお客様も笑顔、笑顔で大満足の様子。いやー本当に3連勝するとは!そう思いながら私は、やっぱり少し複雑でした。

では鳴尾浜で行われた紅白戦の結果をご紹介しましょう。開始前のシートノックでは各ポジションにちょうど2人ずついて、DHは白組の日高選手だけだったので先攻の紅組は打者8人です。球審は筒井コーチ、ボールボーイ役は岩貞投手と松田投手、ボールとアウトカウントのランプをつけるのは一二三選手という布陣。また先月16日に死球で右手を痛めていた伊藤隼選手が出場し、4打席に立っています。

《紅白戦》4月13日 (鳴尾浜)

紅組 020 000 = 2

白組 000 000 = 0

◆バッテリー

【紅】小嶋-玉置-高宮-山本 / 小宮山-岡崎(4回~)

【白】吉見-秋山 / 清水

◆本塁打 狩野2ラン(吉見)

◆打撃(打-安-点/三振-四死球/盗塁/失策)

【紅組】※打者8人

1]右:伊藤隼  ( 4-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

2]二:荒木   ( 1-1-0 / 0-2 / 1 / 0 )

3]左:狩野   ( 3-1-2 / 1-0 / 0 / 0 )

4]三:森田   ( 1-1-0 / 0-2 / 0 / 1 )

5]一捕:岡崎  ( 3-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

6]捕一:小宮山 ( 3-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

7]遊:北條   ( 3-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

8]中:横田   ( 3-1-0 / 2-0 / 0 / 0 )

【白組】

1]左:柴田   ( 3-0-0 / 0-0 / 1 / 0 )

2]右:緒方   ( 3-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

3]中:中谷   ( 3-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

4]指:日高   ( 1-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

5]捕:清水   ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

6]二:西田   ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

7]三:陽川   ( 2-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

8]一:原口   ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

9]遊:阪口   ( 2-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

◆投手(安打-三振-四死球/失-自)

【紅組】

小嶋 2回 6人 28球 ( 0-2-0 / 0-0 )

玉置 1回 4人 23球 ( 2-1-0 / 0-0 )

高宮 1回 4人 17球 ( 1-0-1 / 0-0 )

山本 2回 7人 37球 ( 0-3-0 / 0-0 )

【白組】

吉見 3回 13人 57球 ( 2-3-3 / 2-2 )

秋山 3回 12人 47球 ( 2-3-1 / 0-0 )

やはりヒットは少なめ…?

まず紅組の攻撃。吉見に対して1死から荒木が四球を選び、続く狩野は力いっぱいバットを振ってレフトへのホームラン!2点を先取しました。次の森田が左前打するも2死後、清水に盗塁を刺されてチェンジ。2回は三者凡退です。3回は荒木がまた四球、初球で盗塁を決めました。狩野は三振、森田が四球で2死一、二塁としますが、得点なし。

白組の投手が秋山に代わり、4回は2死から横田が初球のカットボールを打ち返して中前打!しかし盗塁失敗。5回は荒木が中前打して、暴投と狩野の二ゴロで三塁へ。森田が2打席連続で四球を選ぶも、やはり追加点はありません。そして6回は小宮山と横田が空振り三振に倒れるなど、三者凡退でした。

と、ここで伊藤隼が打席に入り、秋山は続投。結果はボールスリーから打って三ゴロ。よって“四者凡退”です。

白組の攻撃は、紅組先発・小嶋の前に2イニング連続で三者凡退。3回は玉置から原口と阪口が連打して1死一、二塁としますが柴田は二ゴロ併殺打。4回は高宮が登板して、中谷は内野安打(ショート北條がうまく捕って素早く送球!の割にボールが速く行かなかったような…)。ところが日高への3球目で飛び出して狭殺。日高は四球を選ぶも無得点。

紅組4人目の山本に対して5回は三者凡退、6回は1死からサード森田の捕球エラーで柴田が出て盗塁成功。しかし緒方の二ゴロを荒木が素晴らしいジャンピングスローでアウトにし、最後は中谷が真っすぐで空振り三振。試合終了です。

伊藤隼は約1か月ぶりの打席

実戦復帰した伊藤隼選手は遊飛、遊飛、一ゴロ、三ゴロという結果。「特に意識することはなかったです。きょうに結果云々は気にせず、関しては打席に立ってボールを見ようと思っていた」と話していました。最後の打席は、伊藤隼選手の前で三者凡退となったために追加されたわけですね?「はい、打席を増やしてもらって感謝しています」

患部の右手は「もう完璧」だそうです。打席内容に立って「1か月ぶりの打席なので打てるとは思ってなかったけど、真っすぐにしても変化球にしても、ボールは見えました」と成果はあった模様。「何も問題なければ、来週の甲子園(ソフトバンク戦)から合流します。試合になったら結果も必要だし、それによって自分の気持ちも変わってくると思う。しっかり準備したい」と伊藤隼選手。臨戦態勢は整いました。

スピード以上の球威が売りの山本

前回(8日のオリックス戦)は1死一、三塁であえて伊藤和投手と交代した山本投手が、この日は「久しぶりに2イニングを投げさせてもらいました。調子がよかったわけでもないし、全部が完璧ではなかったけど、ゲームに入ったら」と無安打無四球で無失点。「もともと先発ですから、1イニング目いけたら2イニング目は投げやすい」と言います。

奪った3三振はカットボールと真っすぐで、球速はMAX139キロ。「140くらい出るかと思ったけど、しっかり投げたものが134くらいで。でも数字以上は出ていたかなと」。確かに、これは!と思ったものが130キロ半ばで逆に驚いたくらい、球威を感じる球も多かったですね。「そこが持ち味なので、スピードガンはスピードガンで放っときます(笑)。これからもっともっとイニングを投げていきたい」と意欲満々でしたよ。

玉置投手はいつものようにチェンジアップで陽川選手から空振り三振を取っていますが、それ以外に真っすぐでもスライダーでもない球が。聞いてみると「ツーシームです。いま練習中の」とのこと。なるほど!久保投手コーチからも「練習しているツーシーム、シュートがよかったね」という言葉がありました。

さらに久保コーチは「小嶋がよかったねえ。吉見の2ランは真っすぐ中心で投げさせたから。(降格後初登板で3回2安打無失点の)秋山もよかった。次だね。次は公式戦で結果を出してくれれば」とコメント。

ちょこっと、こぼれ話です

2回パーフエクトの小島投手は「普通ですよ。特に何か試したってことはなく、いつも通り」だそうです。12日に交流試合を行った古巣・大阪ガスとの話題になり「今まで何度もファームは対戦してるけど、プロに入ってから試合のある時に自分がここにいたのは初めて」だとか。ちょうど1軍にいる時だったんですね。それは何よりの恩返しでしょう。

で、旧交は温められた?「もう何年も経ってしまって、知っている選手がほとんどいないんですよ。野手は若竹のチームメートだった子と話をしました」。若竹投手と育英高校で同級生だった近藤内野手ですね?「そう、近ちゃんとは最後、一緒にやっていたから。でもピッチャーはだいぶ入れ替わって、若い子がわからない(笑)」

ファーストを守った原口選手は5回、伊藤隼選手の打球に素早く動いて捕球、同級生の秋山投手にトスしました。華麗な守備だったねえと言ったら「華麗じゃないですよ~。何とか、ですよ」と苦笑い。3回に玉置投手のツーシームを左前打して、みんなから「ナイスバッティング!」と声をかけられていました。

なお6回の北條選手は、センターの中谷選手が守備位置からほとんど動かないフライだったんですが、捕球する前にアウトのランプがついたもんで、思わず吹き出しました。まあ、それで担当が一二三選手に違いないと思ったわけですけど、あとで聞いたら「そうですよ。わざと早くつけました」とニヤリ。なお自身の復帰については「もうちょっと先ですかねえ。でも足はもう大丈夫」だそうです。早く4番に戻らないとね。頑張りましょう!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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