【質問回数ランキング】ヤジだけでなく東京都議会の活動データについても調べてみた
事務局長を務めるNPO法人 万年野党では、これまでも国会議員の質問回数などを調査し、『国会議員三ツ星データブック』を発行してきた。
議会の活動を見える化する事で、有権者に関心を持ってもらうキッカケにすると共に、有権者に議員を評価してもらう際の一つの参考にしてもらえればと思っている。
今回は、話題の東京都議会を例にとって調べてみた。来年度に統一地方選挙を控えた中で、地方議員の活動実績についてもさらに調査してみる必要があるのではないか。
地方議会は国会と異なり、多くの自治体では年間4回の定例会を行う形を取っている。
とくに都道府県議会の場合、代表質問や一般質問と言った質問に立つ機会は極めて限られている。
東京都議会には、127人の国会議員がいるが、2013年の東京都議会議員選挙以降の質問数は94件しかない。
そこで、2013年6月以降の今期に加えて、2009年6月から2013年5月の前期4年間の質問状況も加算してランキングを考える事にした。
最も多く質問したのは、質問回数7回の西崎光子 議員(ネット)だった。前期4年間で最多6回の質問を行い、今期も1回の質問を加えてのノミネートとなった。
第2位は、質問回数6回の山内れい子 議員(ネット)と、ワンツーは、生活者ネットワークの独占となった。
質問回数5回の第3位には、9人の議員が並んだ。自民党から、桜井浩之 議員、鈴木隆道 議員、田中たけし 議員、野島善司 議員、早坂義弘 議員と、最多の5人。中嶋義雄 議員(公明党)、酒井大史 議員(民主党)、中村ひろし 議員(民主党)、野上ゆきえ 議員(結いと維新)となっている。
万年野党では、国会議員に対しても約1割に☆を付けて表彰しているが、今回の『都議会議員 質問回数ランキング』では、この11人を☆獲得議員としたい。
図表1: 東京都議会質問数 回数別政党割合
質問回数7回と6回が100%ネットであることは、先程も触れたが、5回になるとその半数以上の55.6%を自民党が占める。次いで民主党の22.2%、公明党と、結いと維新が11.1%となる。
4回も、自民党の議員が47.6%と1番多く、公明党33.3%、民主党の14.3%と続く。
一方で、この2期の間で、一回も質問しないという議員が、なんと11人もいる。
この0回議員の政党別割合を見ると、半数以上の54.5%を自民党が占め、公明党が27.3%、日本共産党が18.2%と3つの政党の議員だけになっている。もちろん2013年6月に当選したばかりの新人もいる訳だが、今回は、とくにどの議員とは紹介しないが、どんな議員がいるのかを調べてみても良いのではないだろうか。
図表2: 東京都議会質問数 政党別回数割合。
同じ数字を、政党別見ると、政党ごとのカラーも見えてくる。
最も議員数の多い58人を占める自民党は、半数近い46.6%を質問回数1回の議員が占める。都議会の場合、質問回数が会派に割り振られているため、会派の所属議員が多い、大会派の場合、どうしても一人ひとりの議員に質問機会がなかなか回って来ないという状況もある。
公明党は質問回数3回が34.8%、4回が30.4%といったところがボリュームゾーンになる。
意外に感じたのが日本共産党で、質問回数3回と2回の議員が共に41.2%、まったく質問していない議員が11.8%と、質問回数3回以下で、なんと94.2%をも占めているのだ。
民主党は、質問回数3回が33.3%、2回が26.7%、4回が20.0%、5回が13.3%と平均化している。
結いと維新は、質問回数5回と4回が共に20.0%でありながら、質問回数1回が40.0%、2回が20.0%と完全に二極化している。
みんなの党は、4人全員が質問1回。
今回の調査で、最も質問している会派だと分かったのは、少数回はである事を最大限に活かした生活者ネットで、質問回数最多の7回と6回、2回がそれぞれ33.3%という結果になった。
今回は、国政に比べて、質問回数が少ないので、前期4年間も加えて評価対象としたが、ちなみに、2013年6月の改選以降の実績で見ると、最多質問は2回で、吉原修 議員(自民党)、上野和彦 議員(公明党)、大松あきら 議員(公明党)、石毛しげる 議員(民主党)、中村ひろし 議員(民主党)、石川良一 議員(結いと維新)、やながせ裕文 議員(結いと維新)、小松久子 議員(ネット)の8人が並んでいる。
今回の東京都議会議員の活動データについては、代表質問と一般質問しか対象になっていない。都議会についても、さらに細かいデータを集積し、評価してみたいと思う。
東京都民のみなさんにも、今後も注目して、様々な視点でチェックをしてもらいたい。
NPO法人 万年野党では、これまでも国会議員の評価など、政策監視の様々な活動を行ってきたが、統一地方選挙も控え、今後は、地方自治おける評価などにも関わっていきたいと思っている。自治体の評価をしてみたいという方がいれば、是非声をあげていただきたい。
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事務局長 高橋亮平
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