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NY原油1日:米中製造業指標を受けて乱高下も、期先主導で下落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比0.35ドル安

始値 45.38ドル

高値 47.10ドル

安値 44.63ドル

終値 44.74ドル

米製造業活動の鈍化などを手掛かりに、期先限月を中心に売り優勢の展開になった。

アジアタイムは、中国の9月製造業PMIが市場予測を上回ったことが好感され、買い優勢の展開になった。中国市場が国慶節の連休入りしていることもあり、中国リスクの緩和が原油相場の反発を促した格好になっている。ただ、前月の49.8ポイントと言う数値は、市場予測を上回っているものの製造業活動の縮小傾向が維持していることを示すデータであり、一時47.10ドルまで急伸したものの、そこから一段高を試すことには失敗している。逆に、ニューヨークタイムは9月ISM製造業指数が下振れしたことが嫌気され、改めて戻りを売られる展開になった。米雇用統計の発表を控えて大きな値崩れを起こすには至らなかったが、改めてマイナス圏に沈んで引けている。

シェールオイルの減産傾向を受けて、期近限月は下げ渋っている。安値是正を進めるような動きは鈍いが、投機売り圧力に一服感が見受けられる。こうした中、期先限月の下げが目立っている。期近売りが警戒される中、投機筋は長期の原油価格低迷予想の方に資金シフトを進めており、期先限月は断続的な値下がり対応を迫られている。大きな値崩れまではみられないが、順ザヤが急速に縮小する中、期近限月の戻り余地は一段と限定されることになる。ここから更に順サヤが縮小する動きが見られると、手元在庫売却の動きが加速する可能性にも注意が必要。

Bloombergによると、9月の石油輸出国機構(OPEC)産油量は日量3,204.8万バレルとなり、前月から23.3万バレル減少した。サウジアラビアやイラン、イラクの産油量が減少している。ただ、シーズンオフの需要減退に対応した動きと見られることで、マーケットの反応は限定されている。

シェールオイルの減産傾向が強まる中、従来との比較では下値不安は後退する方向にある。ただ、過剰供給是正のためにはシェールオイル生産に断続的にダメージを与える必要性があり、今後はイラン産原油が市場復帰するための増産余地を作り出すことも要求されることなどを考慮すると、なおボトム確認には慎重姿勢が求められると考えている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げでドル高が進行すれば、当然にドル建て原油相場に対してはネガティブである。60ドル水準が近づけばシェールオイルは逆に増産傾向を強める可能性が高く、安値低迷をメインシナリオに下振れリスクを残した相場展開が続く見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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