最早の春一番 春は近い?
春一番が早い年は春の訪れも早いのだろうか?1990年と1966年は2月、3月ともに気温が高く、彼岸にはさくらが咲いた。今月半ばにかけて気温がさらに高くなりそうだ。
珍しい?関東が一番
2月4日(木)、関東地方で春一番が吹きました。記録が残る1951年以降で最も早い春一番です。最も早いと聞くと特別なことのように感じますが、春一番は立春から春分まで(約1か月と2週間)と期間が決められているため、そのなかで早い、遅いという意味です。また、平年値(気象現象の基準となる値のこと)もありません。さらに言えば、吹かなかった年もこれまで10年あります。
春一番は九州南部、九州北部、四国、中国、近畿、東海、関東、北陸の8地方で発表されます。ちょっと珍しいと感じたのは関東地方が最初だったこと。この30年あまり(1989年以降)で、関東地方が一番だったのは今年を除いて3年(2006年、2008年、2011年)しかなく、この年は他の地域があまり吹かないのです。吹く順番が決まっているわけではないのですが、なんとなく西日本が早く、東日本が遅くなる印象があります。
今年は春の訪れが早い?
決められた期間のなかで早い、遅いは意味がないといっても、立春の翌日に吹いた春一番は春が近いことを期待させます。実際はどうなのでしょう?
こちらは春一番が早く吹いた年の天気を調べたものです。2月と3月の気温、そしてさくらの開花日(東京)を比較してみました。なお、今後の予想は括弧で示しました。
結果は見てのとおり、これといった傾向はつかめませんでした。今年に次いで早かった1988年は2月、3月ともに寒く、さくらの開花も4月にずれ込みました。一方で、1990年や1966年は春の訪れが早く、彼岸にはさくらが開花しました。
今年はというと、2月、3月ともに気温は平年並みか高くなる可能性が高く、東京では来月21日頃に、さくらが開花する見通しです。
今月半ばにかけて気温高く
あまり先のことを言っても当たらないので、そう言われてしまいそうです。では、この先2週間の気温予想を見てみましょう。
こちらは毎日発表されている2週間気温予想の資料です。この先、気温がどのように変化するのか、この図を見て判断することが多いです。
太い線が気温の変化を表していて、真ん中より上にあれば気温が平年より高く、下にあれば気温が低いことを示しています。図の左側がこれまでの気温変化を表し、右側は予測です。
今後、気温はさらに高くなり、13日頃をピークに平年よりも5度くらい高くなる予想です。ただ、その後は下がる予想になっていて、寒さがぶり返す可能性があります。
【参考資料】
気象庁天気相談所:関東地方の春一番
ウェザーマップ:2021年第2回さくら開花予想、2021年2月4日
気象庁:2週間気温予想資料、2021年2月4日12UTC