【オートバイのあれこれ】最近流行りの「ネオクラ」マシン、ヤマハXSR700を乗ってみた(前編)
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は「最近流行りの“ネオクラ”マシン、ヤマハXSR700を乗ってみた(前編)」をテーマにお話ししようと思います。
普段は絶版車の紹介を中心にオートバイの記事を書いている私ですが、今回は試乗インプレッション的な内容をお送りしようと思います。
というのも、私は先般ヤマハの現行モデル『XSR700』をレンタルして仲間とツーリングへ出かけたのです。
高速道路と山間のワインディングロードをメインに500kmほどXSRで走りましたので、今回はその時の感想をシェアさせていただきましょう。
今回は前編《車体&エンジンについて》です。
◆感想その①. 車体が400ccクラス並にコンパクト!
XSRを目の前にしてまず思ったのが、車体がとてもコンパクトだということ。
とくにホイールベースの短さが印象的で、「車体が小さい」というより前後方向の凝縮感が印象的でした。
またがってみると、最近のバイクらしくやや腰高な感じで、ハンドルバー(グリップポジション)は広め。
腕を広げる感じでハンドルを握る感覚は、いかにも「令和のバイクらしい」というか、’80〜’90年代のオンロードモデルには無かったフィーリングです。
私個人(身長174cm/体重約60kg)としては、乗車姿勢が窮屈に思うことはありませんでした。
ただ一つ気になったのが、ステップの位置。
またがった状態から何も考えずに足を接地させようとすると、ステップが障害物になります。
慣れてしまえば大したことはないでしょうが、足を地面に下ろす際にはステップを避けて、やや後ろか前へ足を出さなければなりません。
バックステップのバイクに慣れている人は要注意でしょう。
◆感想その②. トルクバンドが広い!
続いては、エンジンのフィーリングに関して。
走ってみて感じたのが、トルクを有効に使える範囲が広いということでした。
ある程度XSRのセッティング&キャラクターに慣れた後、ワインディングのコーナーで本来なら1段シフトダウンするところをギヤ固定で曲がってみたのですが、高いギヤでアクセルを開けていっても、しっかりとコシのある加速を見せてくれます。
それこそ2ストロークのバイクだと「モモモッ…」と鈍くなるような、回転数が落ち込んだ状況でも、XSRのエンジンは後輪にきっちりとトルクを伝え、後輪が路面をしっかりと蹴って(捉えて)コーナーを立ち上がっていきます。
低い回転数からでもモタつくことなく加速してくれた時に、「頼りがいのあるエンジンだな」と実感しました。
シフト操作をサボっても、それなりに走ってくれるエンジンだと思います。
ただ、それのトレードオフとまでは言わないものの、上(高回転域)の伸び感(パワフル感)はそこそこです。
公道でなおかつ借り物バイクなので、私もそこまでガンガン「回した」わけではないですが、並列4気筒エンジンのような高回転時のパンチ力はそれほど強くはありません。
とはいえ、そもそも大型バイクを高回転キープで走れるシーンなんてほとんど無いですから、このことはツーリングレベルであれば特に不満にはならないはず。
XSRは、やはり低中速トルクを活かしてキビキビ走るタイプのバイクということでしょう。
それを考えると、ショートホイールベースの車体はこのエンジン特性にベストマッチだと思いました。
次回は後編《足まわりついて&まとめ》をお送りします!