【オートバイのあれこれ】TT-F3初代王者マシンのレプリカ!
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今日は「TT-F3初代王者マシンのレプリカ!」をテーマにお話ししようと思います。
1984年(昭和59年)、全日本ロードレース選手権にTT-F3クラスが新設されたことを機に、ヤマハは4ストロークのレーシングマシン『FZR400』を開発しました。
そのレーサーFZRの市販レプリカモデルとして生み出されたのが、『FZ400R』です。
FZRのパワーユニットは市販車『XJ400Z』の水冷4気筒エンジンが元になっていましたが、FZも同様にXJ-Zのエンジンがベースとされました。
フレームに関しては、レーサーFZRとそっくりの設計。
とはいえ素材は異なっており、FZRのフレームがアルミ製だったのに対し、FZにはスチールが使われました。
FZのフレームがアルミ製でなくスチール製とされたのは、もちろんコストの問題や量産するに際しての課題もあったのでしょう。
ただ、ここで一つ推測として挙げておきたいのが、開発経験値の違いです。
今でこそアルミフレームはメジャーな存在になっているものの、’80年代前半の当時はまだ量産品としてのアルミフレーム開発実績が少なかったため、求める性能・特性を持たせるには、長年作ってきて経験値の貯まっているスチールフレームを使うほうが手堅いと開発陣は判断したのかもしれません。
限界性能という側面に絞り込むのであればアルミフレームで良かったのでしょうが、一般ライダーが乗りやすく感じるための一定のファジーさ(≒柔軟性)だったり、耐久性・耐候性といったその他の側面も追求するとなると、乗り手の感覚(「人車一体感」など)を大切にするヤマハとしてはやはりスチールフレームのほうが「やりやすかった」のではないかということです。
その他、燃料タンクといった外装類の形状もFZRとよく似ていて、FZは中身も外見もしっかりFZRレプリカとなっていました。
FZは発売後、レプリカブーム下で「初のヤマハ製4ストレプリカ」という話題性もあって好評を博し、FZRが’84年の全日本選手権でチャンピオンを獲得(=TT-F3クラスの初代チャンピオンとなった)してからは、さらにその売れ行きに拍車がかかりました。
デビューイヤーの’84年度には約1万1,000台が売れ、翌年には400ccクラスにおいて年間販売台数ランキング2位となる約1万8,000台のセールスを記録。
’80s前半はまだ4ストロークの分野においてはさほど強者ではないヤマハでしたが、このFZを起点に4スト開発ノウハウを急速に蓄え、わずか数年の間にホンダやカワサキともわたり合える高性能4スト4発マシンを次々と生み出すことになるのでした。
画像引用元:ヤマハ発動機