週明けはメイストームのおそれ 全国的な荒天に警戒を
26日(火)朝は朝鮮半島付近
今の時期の荒天をメイストームと呼ぶことがあります。これは4月後半から5月にかけて、低気圧が発達しながら日本付近を通過し、全国的な荒天となることを表しますが、時には低気圧が台風並みに発達し、大嵐となることがあります。
そしてこのメイストームが週明けにやってくるおそれがあります。
上図をみると、大陸で発生した前線を伴う低気圧が26日(火)朝には朝鮮半島付近に進んでくる予想で、この時点の中心気圧は1000hPaと計算されています。
この時点ではまだ嵐の前の静けさという所が多いものの、早ければ、九州で強い南風が吹き出し、活発な雨雲がかかり始める可能性があります。
急速に発達しつつ日本海を北東進
26日(火)日中から夜にかけては、低気圧が日本海を進みながら急速に発達するため、全国的に南風が強まり、平均10メートル前後の強い風の吹く所も多くなるでしょう。低気圧に近い日本海側では、赤い矢印の平均16メートル以上に達する所もありそうです。
また活発な雨雲は西日本の日本海側の他、北日本の日本海側にも到達する見込みで、強い風を伴って、横殴りに降る所もあるでしょう。
北海道の北で台風並みに発達、爆弾低気圧のおそれも
その後、低気圧は北海道付近を通過しながら、一段と発達する見込みで、27日(水)朝の段階では、976hPaと台風並みに発達する計算です。
今の予想では、24時間で24hPaも中心気圧が下がっていますので、いわゆる爆弾低気圧と呼ばれるような急発達をする計算となっています。
低気圧に近い北日本を中心に強い南風が吹き荒れ、北海道では警報級の暴風が吹き荒れるかもしれません。北海道以外でも、沿岸部を中心に、最大瞬間風速は20メートルから30メートルくらいに達するような気圧配置となりそうです。
また活発な前線も通過するため、東海以西を中心に雷を伴った強い雨や激しい雨のおそれがあると思われ、さらに低気圧の後面から強い寒気が流れ込むため、北日本の内陸では雪に変わり、吹雪く所があるかもしれません。
まとめると、26日(火)から27日(水)は急速に発達する低気圧の影響で、メイストームのおそれがあり、暴風、大雨、高波、吹雪などに、十分な注意、警戒が必要となりそうです。
今後、気象庁から出されるであろう防災情報にご注意下さい。
低気圧が急発達する原動力は激しい気温差
日本付近で低気圧が急発達する原動力となるのは、低気圧を挟んでの気温差となります。
春先からGW頃にかけては、北から冬の名残の寒気と南から夏を先取りした暖気が激しく衝突することがあり、この気温差が大きければ大きいほど低気圧は発達する傾向にあります。
27日(水)午前9時の上空1500メートル付近の気温予想をみると、低気圧を挟んで前面(東側から南側)には平年より約10度も高い暖気がはい上がっているのに対し、後面(西側から北側)には平年より5度前後低い寒気が南下しており、その気温差は実に20度くらいに達する予想です。
まさに夏を思わせる暖気と冬を思わせる寒気が激しく衝突することになるでしょう。そして注目は低気圧の後面にある寒気で、27日(水)午後には北日本へ到達し、北海道を中心に雪をもたらし、風も強く、季節外れの吹雪となる所もありそうです。
近年のメイストーム
近年の傾向をみると、メイストーム級の嵐が複数回襲来する年がある一方、一度もなく、おとなしい年もあります。またメイストーム(5月の嵐)といっても、気温差が大きくなりやすい4月のメイストームが多いのが特徴で、4月後半以降の嵐を呼ぶことも多いです。
近年のメイストームをざっと調べると、以下の通りです。
2020年4月13日頃
2017年4月18日頃
2016年4月17日頃
2012年4月3日頃
時期は少々早めですが、2012年の大嵐は記録的に発達する爆弾低気圧によるものでした。