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先日開設したばかりのTwitterが話題 鶴竜親方に聞く──相撲愛と秋場所の見どころ

飯塚さきスポーツライター/相撲ライター
「相撲愛」を熱く語った鶴竜親方(写真:筆者撮影)

国技館恒例「親方トークイベント」に鶴竜親方登場

9月11日(日)に初日を迎えた大相撲秋場所。初日・2日目と連日多くの人が足を運び、賑わいを見せている。

日本相撲協会は、今年から国技館で始まった「親方トークイベント」を今場所でも開催(※観覧募集はすでに終了)。筆者が訪れた2日目は、元横綱・鶴竜親方が担当した。イベント会場でもある相撲博物館では、現在「鶴竜展」が開催されており、親方は数々の思い出の品に囲まれながら、約45分のトークイベントを行った。

「鶴竜展」には人生を変えたあの手紙も

「相撲と出合って損だったことなんてひとつもない」と、その大きな相撲愛を真剣に語った鶴竜親方。入門の意思と熱意をしたためた一通の手紙が角界入りの扉を開いた話は有名だが、「小さい人が大きい人に勝つ。相撲は面白いな、モンゴル相撲はそんなに興味がなかったけど、相撲ならやってみたいなと思いました。今回の展覧会では、私の人生を変えたあの手紙も展示しています。入門して間もない、まだ体も細かった頃から現在まで、その成長を見てもらえると思います」と、今回の展覧会をアピールした。

また、趣味のゲームやバスケットボール、引退後に運転免許を取得してドライブを楽しんでいることなど、話は多岐にわたり、笑いも大いに交えたトークイベントは大盛況のうちに終了。その後、筆者は親方に直接話を伺った。

親方トークイベントで笑顔を見せる鶴竜親方(写真:筆者撮影)
親方トークイベントで笑顔を見せる鶴竜親方(写真:筆者撮影)

出稽古解禁で力士のパフォーマンスが向上

――トークイベントお疲れさまでした! やってみていかがでしたか。

「ちょっと勝手に喋りすぎたかなって(笑)。全部の質問にたどり着けなかったみたい」

――いえいえ、すごく楽しかったです。断髪式の準備も進められているんですね。

「はい。来年6月3日の開催で、もう1年切りましたから、これからポスターやチラシなどもできてくると思います。辞めてからは、社会人として、相撲以外のことに関して日々勉強ですね。わからないことは多々あるので、皆さんに迷惑かけながら、いろんな経験をさせていただけているので、またそういった部分で成長していけるのも楽しみにしています」

――先日開設したばかりのTwitterアカウントも話題になっています。

「今後部屋をもったら、新弟子募集のときなど、いろんな人とのつながりをつくっていかないと難しいんじゃないかなと思ったんです。むしろ、いままで使っていなかったのがもったいなかったくらい。でも、いまからでも遅くはないので始めました。ありがたいことに、たくさんの方からフォローや温かいメッセージをいただいていて。皆さんから、うれしくなるとかパワーをもらえると言われますが、こちらこそ元気になるしありがたいと思いますね」

――では、親方から見た今場所の見どころ、また部屋の霧馬山関へのエールをお願いします。

「まず、逸ノ城は今場所どれだけ勝てるかによって、次の大関に声がかかるかどうか。そんななかで、うちの霧馬山も、ひとつ上に抜け出す足掛かりの場所にしてほしい。稽古もトレーニングもいい感じにできているし、何より出稽古の解禁は大きいですね。特に今場所は、力士全体のパフォーマンスが上がっていると思いますよ。攻防のある面白い相撲が多く、変わってきたなと感じました。やっと通常に戻りつつあるのかなと思うとうれしいし、もっとファンの方に見に来ていただけるように、いい相撲を取ってもらいたいなと思います」

――ありがとうございます。最後に、親方ご自身の今後の展望をお聞かせください。

「協会のためになることならなんでもやっていきたいなと思っています。協会がよくなっていけるように、自分自身も成長していけるように頑張っていきたいですね」

スポーツライター/相撲ライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライター・相撲ライターとして『相撲』(同社)、『Number Web』(文藝春秋)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書に『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』。

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