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【土浦市】これぞ土浦の町中華! れんこんつけめん、ツェッペリンカレーコロッケ… 珍メニューも充実

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

全国的に「町中華」が注目されていますが、「福来軒」はまさしく土浦の町中華。ラーメン、餃子はもちろん、オムライスなどの洋食だってお手のもの。とにかくメニュー数が多くてどれも食べたいものばかりなのですが、中でも特に気になっていた「土浦ツェッペリンカレーコロッケ」を実食! 店長の藤澤一志さんおすすめの「れんこんつけめん」もいただいてきました。

店構えはちょっと古いけれど…店内はきれいでアットホームな雰囲気も◎

先にお伝えしておきます。外観は正直「おしゃれ」とは180度方向違いです。言葉を選ばずにいえば「古びれ」ています。でも、これがいいんです。これぞ町中華なんです。店構えが古びれていればいるほど期待度が高まるというものなのです。

亀城公園のすぐ近くにある「福来軒」は、土浦駅から徒歩約10分、車なら約4分の場所に位置しています。車の場合は通り向かいにあるTimesの駐車場が提携していて、帰りの際に利用時間に応じたサービス券をくださいますので、それを精算機に投入することで精算できます。

店内は意外にも広々。しかも清潔感があって居心地抜群です。町中華あるあるの大きなテレビももちろん完備。漫画なども置いてあるので待ち時間も十分楽しめます。土浦広しといえども、駅からほど近い場所で「福来軒」のような昔ながらの町中華は数えるほどなので、この家庭的というか、どこか懐かしい雰囲気はとても貴重なのです。

「福来軒」は1953年(昭和28年)創業の中華料理屋さんで、店長の藤澤一志さんは、先代のお父さまの味を受け継ぐ2代目です。やわらかい笑顔がとても素敵で、いかにもおいしいものを作ってくださりそうです。

土浦ならではのメニュー以外にも「なんじゃこりゃ?」な珍メニューも

メニュー表は各テーブルに置いてありますが、壁に貼られたメニューは写真付きで分かりやすく、おそらくおすすめメニューやユニークなメニューが厳選して貼っているのだと思われます。「こういうの作ったら面白そうだなとか、お客様はこういうのを求めているんじゃないかなと作っていくうちにメニューがどんどん増えちゃって(笑)」と、藤澤さんは笑いながらメニュー数が充実している理由を話してくださいました。

地元・土浦愛の強い藤澤さんは、土浦をテーマにしたメニュー作りも積極的に行っています。土浦では、年に一度「土浦カレーフェスティバル」という大きなイベントが開催されるほどカレーをテーマにした町おこしがさかんで、福来軒でもカレーを使ったメニューがいくつかあります。「蓮根カリーつけ麺」(750円)や「蓮根カリー湯麺」(750円)、「ツェッペリンコロッケカレー」(750円)などは藤澤さんおすすめのカレーメニューです。

「あのー、これは…」と質問せずにいられなかったのが「幸福いっぱい餃子」(550円)。写真ではなく解説だけが載った謎のメニュー。「土浦が”幸福の街”という町おこしをしていたときがあって、その時に作ったメニューなんです。4個全部違う味がするなんて面白いでしょ」。藤澤さん的には、幸福=面白い=笑うといった方程式が成立しているような。この説明を聞いただけでくすりと笑ってしまいます。確かに面白いな、楽しいなと思いながら味わうのって幸せなのかもしれません。

なかなか入ることのできない厨房も見学させてもらえました

「うちの厨房は狭いほうだよ」と藤澤さんはおっしゃいますが、いやいやどうして、「福来軒」の厨房は縦に広いのが特徴的で、豊富なメニュー数に対応するにふさわしい規模感です。

「テレビで汚いレストランとか特集していたりするでしょ。うちもいつか取材に来られるんじゃないかと思ってます(笑)。でもね、これでもきれいになったほうなんだよ」と、藤澤さん。

なぜ天井にやかん…宙に浮いているような鍋は一体…面白すぎます、福来軒。

強い火力で一気に仕上げるソース焼きそばもおいしそうです。

藤澤さんが揚げているのは、私がオーダーした「れんこんつけめん」にトッピングするレンコンと、「土浦ツェッペリンカレーコロッケ」。何分で揚げるというマニュアルなんかなく、長年の経験から”おいしく揚がる”タイミングを見計らって仕上げていきます。

「福来軒」のメニューはボリューム満点でコスパ抜群! 

改めて今回注文したメニューをご紹介します。手前のつちまる君の絵が付いた袋入りが「土浦ツェッペリンカレーコロッケ」で、奥の麺とたれが「れんこんつけめん」です。

まずは「土浦ツェッペリンカレーコロッケ」(160円)を実食。このコロッケは、テイクアウトの品としても人気の一品で、注文を受けてから揚げてくれるので出来立てのアツアツで味わうことができます。

「土浦ツェッペリンカレーコロッケ」の中身がこちら。ジャガイモのように見えるゴロゴロはレンコンです。二度揚げしているわけでないのに衣がサクサクとしていて、さらにレンコンのしゃきしゃきの食感が合わさって食べ応え十分です。カレーにはスパイシーなだけでなくほのかな甘みが感じられますが、その正体はフルーツ缶詰だそう。甘辛い味わいは癖になりそうなほどにおいしいです。

「れんこんつけめん」(650円)は、天ぷらだけがれんこんかと思いきや、麺にもれんこんを練り込むというこだわりよう。卵をふんだんに使った「たまご麺」に比べると甘みは抑えめで、心なしがコシに強さが感じられます。豆板醤と五香粉、しょう油も隠し味に使っているごまだれは、酸味とぴりり感が調和してあっさりめのれんこんの麺との相性バッチリ。れんこんの天ぷらも中華風に味付けされていて、たれにつけずにそのままでおいしくいただけます。

2品とも、値段がお手頃でボリューム感たっぷり。コストパフォーマンスは間違いなく良いです。「れんこんつけめん」はまた食べに伺いたいと思うくらい気に入ってしまいましたが、他にもまだまだたくさん食べてみたいメニューがあるので当面「福来軒」通いが続きそうです。ありがたいことに11時から20時まで通しで営業しているので、お昼時間を逃した人でもおいしい町中華を味わうことができます。

店舗情報
住所:茨城県土浦市中央1-12-23
電話:029-821-1162
営業時間:11:00~20:00(L.O.)
定休日:日曜
ホームページ:なし
Instagram:なし
駐車場:提携あり(通り向かいのTimesの駐車場をご利用ください)

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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