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【京都市東山区】「大好きな和束のお茶を多くの人に楽しんでほしい」築100年以上の京町家・日本茶カフェ

松田洋平ライター(京都市)

京阪・七条駅から徒歩5分、三十三間堂や豊国神社、京都国立博物館にも近い「きっさこ和束(わづか)」をご紹介します。

店名にある和束は、京都府南部にある地名で、京都府最大のお茶の産地です。町全体に茶畑が広がる光景は「茶源郷」とも呼ばれるほど美しく、近年は外国人観光客も多く訪れる人気のスポット。

今も和束に住みながら、お店の運営のために和束から通う店主の「和束の美味しいお茶を届けたい」という思いが詰まった、日本茶カフェです。

お店の外観

京阪・七条駅から七条通りを東へ150メートル、本町通りを北へ曲がり少し歩くと、お店に到着します。

「きっさこ和束」の外観
「きっさこ和束」の外観

お店の外観は、一見するとカフェという印象ではないかも知れません。「もとは、亡くなった主人の実家なんですよ」と店主が話す築100年以上の京町家は、「京都を彩る建物や庭園」にも選定されており、お店の入り口には京都市から贈呈されたプレートが掲げられています。

京都市から贈呈されたプレート
京都市から贈呈されたプレート

店内のようす

のれんをくぐり、ガラガラと引き戸を開けて店内に入ると、奥に向かって細長い通路が続いています。これは「通り庭」と呼ばれる京町家の特徴のひとつ。

京町家の特徴のひとつ「通り庭」
京町家の特徴のひとつ「通り庭」

カフェをオープンするためにリノベーションした店内には、美しい木目が浮かぶ新しい柱と、重厚感のある柱や梁が見られます。この建物の歴史を少しでも残したいという店主の思いが伝わって来るようです。

店内には、現代ではめずらしい井戸も残されており、上からのぞき込むと地下水が湧き出ているようすも見られます。

店内に残されている井戸
店内に残されている井戸

さらに、喫茶スペースに上がるところには、大きな木製の家具が。

大きな木製の家具
大きな木製の家具

店主にたずねると「『はないちもんめ』の歌詞に“たんす長持ち”ってあるでしょう?あの“たんす、長持”ですよ」とのこと。リノベーションをした時に見つかったそうです。

お店に入っただけで、ふつうのカフェとはまったく違う体験が次々とできるのは、築100年以上の歴史ある京町家ならではですね。

喫茶スペースは畳の敷かれた和室でありながら、テーブル席で座りやすく、庭をながめながらゆっくりと過ごせますよ。

ゆっくりとくつろげるテーブル席
ゆっくりとくつろげるテーブル席

おすすめのメニュー

「和束の美味しいお茶をたくさんの人に届けたい」という店主の思いが込められたメニューブックには、日本茶に合う和菓子や和束の茶農家さんが生産しているアイスクリームを使ったメニューが並びます。

「きっさこ和束」のメニューブック
「きっさこ和束」のメニューブック

抹茶アイスクリームと抹茶

「抹茶アイスクリームと抹茶」を注文しました。

抹茶は、和束の碾茶(てんちゃ)農家・上嶋爽禄園のもの。注文をしてから店主が点(た)ててくれます。お茶に使う水も和束から運んでいるそう。

クリーミーな口あたりで喉越しも良く、飲みやすいです。

「上嶋爽禄園」の抹茶
「上嶋爽禄園」の抹茶

抹茶アイスクリームももちろん和束産。和束の茶農家・上香園でつくられているアイスクリームが使われているそうです。抹茶の美味しさがギュッと詰まった濃厚な味わいで、トッピングされている生クリームとの相性も抜群。

「上香園」の抹茶アイスクリーム
「上香園」の抹茶アイスクリーム

どうぞお茶でもめしあがれ

「きっさこ和束」の「きっさこ」は禅語で、漢字では「喫茶去」と書きます。「どうぞお茶でもめしあがれ」「まあお茶でもいかがですか」といったニュアンスだそう。

店主が愛する和束産の日本茶を、築100年以上の歴史ある京町家でいただく、ぜいたくなひととき。ぜひ、お店を訪れて体験してみてください。

お店の情報

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きっさこ和束
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住所   |京都市東山区本町5-182
電話番号 |075-741-6377
営業時間 |12:00〜18:00
定休日  |月曜日
HP    |きっさこ和束
SNS   |Instagram

ライター(京都市)

人気の観光地として国内外から多くの人が訪れる京都。長く暮らしていても、意外と見過ごしている魅力がたくさんあります。身近にある歴史的なスポットや京都ならではのグルメ情報をお届けします。

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