macOS15 新機能 #iPhoneミラーリング はネーミングを間違えている…これはウィジェット!
KNNポール神田です。
『macOS15』 の『Sequoia(セコイア)』が2024年9月16日にリリースされた。
https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/09/macos-sequoia-is-available-today/
『Sequoia(セコイア)』へ、アップデートをしてから、しばらくしても、何の変化も感じることができなかった。それくらいシームレスな変化のようだ。
最近のAppleの傾向として、できることは、あれやこれやと書かれているが、どのようにして使うのかが明記されていないケースが非常に多い…。
『macOS15』 『Sequoia(セコイア)』の目玉の機能としての『iPhoneミラーリング』を試してみようと思う。
iPhone側から画面の上からスワイプして『ミラーリング』を出してみたが、これは従来からある同一Wi-Fi上のmacに対して行える単なる『ミラーリング』である。
いや、これは新機能ではない。
■アプリケーションの中にある『iPhoneミラーリング.app』を探す!
macOSの右上の『Spotlight検索』から『iPhoneミラーリング』で検索すると、『iPhoneミラーリング.app』がヒットした。
そう、この『iPhoneミラーリング』はアプリから利用するのだ。
アプリを起動するとこのように『MacでiPhoneを操作』と説明する画面が現れる。
『iPhoneからの通知を許可』を『許可』する。
お!ここでようやく『ミラーリング』っぽい画面となった。
macOS側のパスワード入力画面を要求される。
■『iPhoneミラーリング』というよりも『iPhoneコントローラー』か『iPhoneウィジェット』だろう
お!… すると、筆者のiPhoneのデスクトップ画面がmacの画面に現れた。
しかしだ…。 マウスでiPhoneの各ボタンをクリックすることができる。
『ミラーリング』というと、『鏡』のように、iPhoneの画面がそのまま『mac』側の画面に『ミラーリング』されることだが、この『iPhoneミラーリング.app』の場合は、厳密にいうと『ミラーリング』ではなく、『MacでiPhoneを操作』するという意味である。
すると、『iPhoneコントローラー.app』や『iPhoneウィジェット.app』といったほうがわかりやすいのではないか?
■iPhoneの中のアプリがそのまま使える!
試しに筆者の作成した『億兆電卓』を操作してみると、すんなりと動いてくれる。mac側にアプリがなくても、iPhoneの中のアプリを操作できる。AppleSiliconであれば、mac側からでも使えるが、どうしてもサイズが大きかったりして使いづらかった。
計算結果をタップするとコピーできる機能は動作しなかった。操作はできるがコピー&ペーストできる機能もほしい。
mac側から『iPhoneミラーリング.app』は操作することができるが、
入力となると、改善ポイントがたくさん。
iPhone側からコピー&ペーストができない。
しかし、Mac側からのペーストは可能なので、今のところ一方通行だ。
そして、一番の改善ポイントは、インプットメソッドをiPhone側で持っているようで、筆者の環境だと『英文』が打てなかった。
iPhone側のインプットメソッドで英文を選択して入力をするという苦行を強いられる。
『iPhoneミラーリング.app』でテキスト入力するということは少ないが、デスクトップに常駐しているとついついメモしたくなることも出てくる。
当然、手でiPhoneを持っていないので充電しながら利用することができる。
残念ながら、カメラ撮影や電話をかけることはmacからはできなかった。
できないこともまだまだあるが、例えば、iPhoneの中にある音楽アプリから直感的に、mac側で接続されているスピーカーを鳴らすこともできるのだ。
Bluetoothでスピーカーなどを切り替えることなく、再生できるのは、非常に便利な機能だといえる。
筆者の楽曲も、YouTubeMusicやSpotifyで選曲して聞くことができた。
YouTubeやTikTokの動画視聴もまるで、iPhoneそのものが『ウィジェット』のように操作できる。
そう、これはまさしく、『iPhoneウィジェット』と名前を変えたほうがよい。
WindowsやAndroidユーザーからすると、いまさらながらの機能かもしれないが、Appleの統合環境での機能においてのキャッチアップはアップルユーザーにとっては、感動に近い。
特に、iPhoneでアプリを開発しているような人にとっては、エミュレーターではなく、実機をmac上で触ることができるので、非常に仕事がしやすくなるだろう。
ビジネスユーザーでもiPhoneでの確認が必要な人がついつい遊んでいるように見える構図が、このようにデスクトップで操作していると仕事しているように見えてくるから不思議だ。
人は仕草のメタファーで仕事しているか遊んでいるかを判断するようである。
また、近い将来、Apple Vision ProにもiPhoneミラーリングで、ウィジェットのようにはめ込むことができたりすれば、ずっとかけっぱなしで業務をすることもできるだろう。
新たなOSの変化は、新たなライフスタイルと毎日のルーティーンに変化をもたらせてくれる…。
新しい技術を効果的に活用するためには、その本質を正確に理解することが不可欠だ。「iPhoneミラーリング」という名称にとらわれず、この機能が持つ真の可能性を探求し、ビジネスや日常生活に活かしていく。それこそが、テクノロジーの恩恵を最大限に享受する方法なのではないだろうか。