【2023年版】バンコクからチェンマイ行き寝台列車の旅|チケット購入と予約、時刻表、食堂車
旅好きの多くが憧れる、旅情とロマンに満ちた「寝台列車」の旅。
今回は、2023年8月に筆者がバンコク発の寝台列車に乗り、タイ北部の古都チェンマイへひとり旅したときの様子をお届けします。
チケットの予約・購入方法や、時刻表、食堂車の情報についても要チェック♪
チケット予約・購入はお早めに
バンコクからチェンマイ行きの寝台列車のチケットは、公式ウェブサイトやタイ国鉄の窓口で、予約・購入ができます。
発着駅にご注意ください。2022年12月までは旧中央駅「フアランポーン駅」でしたが、2023年1月より新中央駅「クルンテープ・アピワット」(Krung Thep Aphiwat)に変わっています。
オンライン予約の際は、Origin(出発駅)に「Krung Thep Aphiwat」、Destination(到着駅)に「Chiang Mai」と入力しましょう。
2等の寝台は、下段のみが「窓あり」です。車窓を楽しみたい方は、「Lower」の座席を選ぶのをくれぐれもお忘れなきよう。
寝台列車の本数は、1日に4本。
●列車番号「109」
14:15 バンコク発→ 翌4:05 チェンマイ着
●列車番号「9」
18:40 バンコク発→ 翌7:15 チェンマイ着
●列車番号「13」
20:05 バンコク発→ 翌8:40 チェンマイ着
●列車番号「51」
22:30 バンコク発→ 翌12:10 チェンマイ着
筆者は、「食堂車で朝食を満喫する」という確固たる目標があったので、のんびりと朝を過ごせそうな最終便を選びました。
2等列車の片道料金は、ひとり798バーツでした。
チェンマイ行きは人気路線のため、早めの予約がマスト。
特に1等個室(1446バーツ~)はシートが少なく、出発の1か月前ですら予約が取れないこともあるので要注意です。
新中央駅「クルンテープ・アピワット」2階のプラットフォームへ
2023年8月の21時半、クルンテープ・アピワット中央駅に到着しました。
空港のように広々とした、東南アジア最大規模のターミナル。1階には切符売り場や売店があります。
「Long Distance Train」(長距離列車)の表示を追って、ひたすら歩く。
待合室にたどり着くまでに、筆者は10分~15分くらいかかったので、少し時間に余裕を持っての到着がおすすめ。
待合室では、地元民やバックパックを背負った外国人旅行者など、老若男女が列車の出発を待っていました。
ボーディングタイムは出発20分前。
「夜食が欲しい」と思い、構内の売店で、コアラのマーチ(ストロベリー味)を買いました。
ボーディングタイムの22時10分になり、乗客みんなでぞろぞろと2階のホームに向かいます。
あかん。胸の高鳴りが止まらない……。
食堂車らしきものを発見!
明日は絶対ここで食べるんだ。
「私の指定席は11号車、11号車、11号車…... あった!」
車掌にチケットを確認してもらい、11号車に乗り込みました。
「Seat 8」の寝台を見つけて、スーツケースをシルバーの荷台に置く。
寝台は、白いシーツと枕がすでにセットしてあり、その上には袋に入った毛布も置かれています。
コンセントはなく、充電は不可なので要注意。
筆者が乗ったのは古い車両ですが、それでも十分に清潔で快適です。
いざ、列車が出発!
定刻の22時半、列車がついに動き出しました!
これから約13時間の旅が始まります。
シャッと緑のカーテンで仕切ると、自分だけの世界に。
夜を走る列車から、明かりが灯った街を眺めます。
23時になり、「もう寝ようか」と窓のカーテンを閉めました。
しかし数分後、「やっぱりまだ起きていたい!」と再びカーテンを開けて、飽きることなく外を眺める筆者(笑)。
いつの間にか、夜食のコアラをすっかり完食していました。
興奮してすぐには寝付けず。
それでも、列車の心地よい揺れを感じているうちに、眠りに落ちていました。
「何もしない贅沢」を噛みしめる
午前6時半、パチリと目が覚めました。
カーテンを開けて、移ろいゆく景色をボーッと眺めます。
「あ~私、旅してるわ…...」
なんて豊かな時間だろう。
私がどうしようもなく旅情を掻き立てられるのは、移動しているときなんだよね。
何をするでもなく、ただひたすら車窓を眺めながら、2年ぶりの再訪となるチェンマイに思いを馳せました。
食堂車で朝食を
午前8時、食堂車に向かいました。
全開の窓からは心地よい風が吹き抜け、その向こうには緑が溢れています。
朝早いからか、食堂車にいるのは私ともう1組の欧米人カップルのみ。
席に座ってメニューを眺めました。
迷った末、「Set I」(180バーツ)という朝食セットを注文することに。
しばらくすると、にこやかな従業員のおじちゃんが、食事をテーブルに運んできてくれました。
おじちゃん「砂糖とミルクも置いておくから、お好みで入れてね」
コップンカー!(ありがとう)
目玉焼き2つ、ハム、ウインナー、薄切りトースト2枚、苺ジャム、コーヒー、オレンジジュース、パイナップル。
けっこういいお値段だし、味も正直、とびきりおいしいわけじゃない。
それでも、「食堂車で朝食を食べる」という極上の体験が、この上ない贅沢に感じるのです。
ガタンゴトン、ガタンゴトン。
牛たちが草を食む草原を横切り、生い茂ったバナナの木々を眺めながら、コーヒーを飲む。
嗚呼、ロマン。幸せ。生きててよかった。
寝台に戻り、スマホをいじりながら寝転がっていると、車掌さんから「寝台を座席に戻します」とのアナウンス。
ガッチャン! ガッチャン!
あっという間に座席に変身しました。
Googleマップを確認すると、チェンマイ駅まであと20分。
到着してほしいけど、してほしくない。そんな複雑な心境です(笑)。
定刻よりも10分遅い12時20分、チェンマイ駅に無事到着しました。
ちなみに筆者はチェンマイに3泊した後、チェンマイ国際空港から1時間15分ほどのフライトで、サクッとバンコクに帰りました。
タイに住んで4年。今回の旅は、「タイでやって良かったことベスト3」に君臨するレベルの最高の経験でした。
バンコクにお越しの際は、ぜひチェンマイまで寝台列車で旅をして、ロマンやノスタルジーに浸ってみてはいかがでしょうか。