大統領保養地のキャンプデービッドで明日、4回目となる岸田首相と米韓の「歴史的な首脳会談」へ
アメリカのバイデン大統領は現地時間の18日、東部メリーランド州の大統領保養地、キャンプデービッドに日本の岸田首相と韓国の尹大統領を迎え、3ヵ国サミット(首脳会談)を開催する。
これに先立ち、16日ジョン・カービー戦略広報調整官が記者会見を行った。
森林地帯にあるキャンプデービッドではこれまで重要な会議が行われてきており「歴史的な場所だ」とカービー氏は説明する。大統領の保養地として使われている特別な場所で、これまで中曽根康弘首相、小泉純一郎首相、安倍晋三首相(いずれも当時)といった日本の歴代首相も招かれ、会談を行ってきた。バイデン政権になって、外国の首脳を同地に招くのは初となる。
過去の写真を見る限り、服装もラフだし、通常の首脳会談よりリラックスした雰囲気で会議が行われる場所のようだ。
同地で明日開かれるサミットは、カービー氏によると、日米韓3ヵ国およびインド太平洋地域の安全保障と安定のために協力レベルを向上、強化することを目的としたもので、「我々3ヵ国は金曜日に重要な取り組みを発表するのを楽しみにしている」と述べた。
カービー氏は会見の中で、日韓の両首脳について「尹大統領と岸田首相は目覚ましいリーダーシップを発揮しており、彼らのおかげで日韓関係はかつてないほど強固になっている」と評価した。
会見中に記者から、先月板門店から北朝鮮に越境した米兵、トラヴィス・キング氏について、北朝鮮側より「米軍が彼を非人道的に扱ったため北朝鮮への亡命を求めている」という声明が出されたことについて問われると、カービー氏はこのように答えた。「平壌の発表は懐疑的に見るべきだと思う」「とは言え重要な最新情報であることは間違いない。我々はキング氏がどこでどのように拘束されているのかを知りたい」とし、過去に米大学生オットー・ワームビア氏などの事例があるため、最悪の事態への懸念を表明した。
また別の記者から、北大西洋条約機構(NATO)の東京事務所の新設案について問われると、「それについては岸田首相のみが語ることができる。我々が話すことはない」と言及を避けた。
日米韓の3ヵ国首脳の初の会談は1994年11月、APECの関連会議(インドネシア)の際に開かれ、北朝鮮の核問題を巡り村山富市首相、クリントン大統領、金泳三(キム・ヨンサム)大統領(いずれも当時)が話し合った。岸田首相になって行った米韓両首脳との会談の初回は、2022年6月NATO首脳会合(スペイン)、2回目はASEAN関連首脳会議(カンボジア)、3回目は今年5月のG7サミット(広島)だった。4回目となる明日のサミットで、3ヵ国がさらに強固に結ばれることだろう。
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