消防車徹底レビュー!消防士さん達のお仕事は?
自動車ライターの矢田部明子です。今回は、横浜市消防訓練センターにて、消防車のレビューしていきます!
ちなみに皆さんは、消防車を間近でジックリと見たことはありますか?火災時に出動して消火活動をしてくれるクルマということは分かるけど、実際に装備されている機能の1つ1つについて知っているという人は少ないはず。ということで、今回は消防車や消防士さんについて詳しくレポートしていきます!
この記事では最低限押さえておきたいポイントを、動画では重箱の隅をつつくように詳しく解説をしているので、宜しければご覧になってみて下さい↓
今回紹介する消防車は、こんなクルマ
横浜市消防局の水槽付消防車(すいそうつきしょうぼうしゃ)は、火を消すための水が直ぐに確保出来ないときに役立つ消防車です。1500Lの水を消防車の水槽に溜めているので、火災現場に出動し消火活動を行ってくれます。いかなる時でも最高の性能が発揮出来る様に、様々な工夫が施されているクルマです。
今回ご紹介するのは、日野 レンジャーというトラックを消防車用にカスタムした車両となっています。令和2年度に横浜市消防局に納車されたということで、ボディはまだピカピカの状態でした。みんなが安心して暮らせるように、今日も働いてくれています。
その1 気になる外装
消防徽章
真っ赤なボディもさることながら、私が1番気になったのはフロント中央にあるマークです。横浜市にある消防車なら必ず付いているそうで、横浜市消防局は雪の結晶をモチーフに、中央から水を出す筒先が外側に広がるデザインとなっています。地域によって形が違うので、お住まいの消防車の消防徽章を見てみるのも面白いかも!
大正 のマークとは?
ちなみに、その右上にある「大正」の文字は部隊の名前とのこと。この「大正」の文字は車両上にも入っていて、空から見た時にどこの部隊がどこにいるのかを確認するためだそうです。当たり前のことなのですが、デザイン性は一切求めず、その一つ一つに意味があるというのは一分一秒を争う消防車ならではです。
赤色警光灯
主に、消防車が出動するときに、点灯するものです。車両の上やフロント部分に付いている赤色警光灯が全て連動して光る仕組みになっています。
周囲を確認するアイテム達
左前に大小様々な形をしたミラーが4つ付いていますが、これは車両左側と前方を確認するために設置されています。さらに、カメラが左右に斜め前に設置され、より確実に周りの状況が確認出来るようになっています。
その2 消防車の内装とは
あらゆるところにボタンやスイッチがあり、レバーやハンドルなどがあるのでは!?と予想していたのですが、意外にも普通のトラックと一緒でした。
スイッチ類
センターコンソールのスイッチ類は、梯子を下ろしていたり、シャッターが開いていると点灯したりするようになっています。閉め忘れなどの確認のために付いているのかなと思いました。
後席は広く、乗り込みやすくなっています。包帯や消毒液などの救急に使われるアイテムが沢山ありました。
その3 消火に欠かせない機能や仕組み
自衛噴霧装置
これは、火災現場ではとっても重要になってくる装置!輻射熱により消防車が溶けてしまわないように、この部分から放射状に水を出します。
オイルパンヒーター
寒い時にエンジンがかかりにくくなるのを防ぐため、この部分にコードを繋いで暖めておきます。常に良いコンディションでいるために、色々なことが考えられているのです。
放水口
積載している水槽の水は、この放水口から放水されます。
ちなみに、この消防車には無給油式真空ポンプという仕組が採用されています。これは、内蔵されている真空ポンプ部分に、オイルを入れなくても使用できるというものです。
計器
放水口の上に付いたメーターには、放水する際にかかっている圧力や水量が表示されるようになっています。
ホースカー
その名の通り、ホースカーにはホースが積んであります。横浜市消防局の水槽付消防車に採用しているホースカーは、バッテリーを搭載し、電源を入れると動く仕組みになっています。約8kgあるホースを人力で運ぶと重いため、これに乗せて運んでいくわけです。
その4 常に積載しているアイテム達
消防車上の収納
車両に付いているはしごを登ると、消防車の上に行くことが出来ます。右側には、消防士さんや救助される人が着るライフジャケットや、自動車などを引っ張る可搬式ウインチなどが収納されています。左側には、何種類かの梯子が積載され、その中のカギ付きはしごは、ベランダから一つ上の階のベランダに行きたいという時に使用するそうです。用途によって、梯子を使い分けているとのことでした。
防火服
触った感じは普通の服でしたが、燃えにくい素材で出来ていているそうです。
脱ぎっぱなし……のように見える靴とズボンは、直ぐに履けるように敢えてこのようにしているそうです。
ホース類
様々な太さや長さのホースがラインアップされています。太さによって耐えられる圧力や放水される水の量が違うので、火災現場に合わせてホースの種類を使い分けるそうです。常に状況が変わっていく火災現場において、消防士さん達は冷静な判断をして消火活動をするそうです。
消防車の後方にあるホースのような1番太くて厚みのあるコチラは、吸管(きゅうかん)といいます。先端部分を防火水槽などに入れて給水する仕様となっています。頑丈にするために、中に針金が入っています。
毛布
要救助者を保護する時に使用したり、資機材が傷つかないように、毛布で包んで移動させる用です。車中泊用と思った私って……。
車内にある救助グッズ
火災現場では、熱で電気も遮断され昼間でも真っ暗な状況も多々あるため、ライトは必須なのだとか。
ほかには、壁や窓を壊すハンマーと、ガラスなどの鋭利なものがあたっても破れにくいグローブなどもあります。
負傷をおった人を救助する際に必要な、AEDや包帯、テープなども常備されています
色々なものを収納するため、屋根部分には耐荷重20Kgまで収納可能なラックが付いていました。
ということで、今回は横浜市消防局に配置されている「水槽付消防車」をご紹介しました!普段、私達の住む街の安全を守ってくれているクルマとあって、興味を持っている方も多かったと思います。今度見かけた時は、ぜひこの記事の内容を思い出してみて下さい!