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40歳クローザーの呉昇桓が阪神、メジャーでもなかったプロ980試合目での初先発 5回73球で6奪三振

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
初先発のオ・スンファン(写真:サムスンライオンズ)

阪神、メジャーでもプレーした韓国を代表する抑え投手、サムスンライオンズのオ・スンファン(呉昇桓)が3日のキウムヒーローズ戦で先発マウンドに上がった。オ・スンファンは2005年のプロ入り以来、救援投手を務め、この日がKBOリーグ通算621試合目の登板。日米韓980試合目で初の先発となった。

初先発のマウンドで国家を聞くオ・スンファン(写真:サムスンライオンズ)
初先発のマウンドで国家を聞くオ・スンファン(写真:サムスンライオンズ)

オ・スンファンは先頭打者のイ・ジョンフをピッチャーゴロに打ち取るも、2番パク・チャンヒョクに左中間二塁打、3番キム・ヘソンにライトへ2ランを喫し0-2と先制された。キウムは続くアディソン・ラッセルも右中間へ二塁打。オ・スンファンの初回の被安打3はいずれもスライダーが長打となった。

2回のオ・スンファンは二者連続空振り三振を奪い2死とするも、ヒットの走者を一塁に置いて、1番イ・ジョンフのレフトオーバーの二塁打で3点目を許した。

しかし3回以降は好投を見せた。再びクリーンアップトリオを迎えた3回はセカンドゴロ、ライトライナー、空振り三振。4回も見逃し三振、空振り三振、ファーストファウルフライと抑え、5回もピッチャーゴロ、キャッチャーゴロ、見逃し三振と3イニング続けて三者凡退に打ち取った。

オ・スンファンは5回73球を投げて被安打5、失点3。ストレートの最速は146キロ。三振6つを奪い、うち3つが低めのカーブを振らせてのものだった。

オ・スンファンはKBO歴代1位の374セーブを記録し、セーブ王を6度獲得。14年から2年間阪神に在籍し127試合で80セーブをマーク。16年からはメジャーリーグに渡り、カージナルス、ブルージェイズ、ロッキーズでの計4シーズンで232試合42セーブを挙げた。日米韓500セーブまであと4つに迫っている。

オ・スンファンは今季もクローザーとしてシーズンをスタート。しかし球威の低下もあり、2度の救援失敗をはじめ不安定な投球が続いた。10試合に登板し1勝1敗4セーブ。防御率4.50で先月20日から中継ぎに配置転換となっていた。

今回の先発登板は投手コーチとの話し合いの中で、リリーフのような緊迫した場面ではなく、先発として多くの球数を投げることで感覚をつかむことを目的としていた。

試合は6回を終わってキウムが4-1でリードしている。

◇オ・スンファン年度別成績(太字はリーグトップ。5月2日現在)

年度 チーム 防御率 試 S 三振

2005 サムスン 1.18 61 16 115

2006 サムスン 1.59 63 47 109

2007 サムスン 1.40 60 40 69

2008 サムスン 1.40 57 39 51

2009 サムスン 4.83 35 19 51

2010 サムスン 4.50 16 4  19

2011 サムスン 0.63 54 47 76

2012 サムスン 1.94 50 37 81

2013 サムスン 1.74 48 28 54

2014 阪神 1.76 64 39 81

2015 阪神 2.73 63 41 66

2016 カージナルス 1.92 76 19 103

2017 カージナルス 4.10 62 20 54

2018 ブルージェイズ/ロッキーズ 2.63 73 3 79

2019 ロッキーズ 9.33  21 0 16

2020 サムスン 2.64 45 18 39

2021 サムスン 2.03 64 44 57

2022 サムスン 3.32 57 31 51

2023 サムスン 4.50 10 4 8

KBO通算 1.97 620 374 780

NPB通算 2.25 127 80 147

MLB通算 3.31 232 42 252

(関連記事:元阪神・呉昇桓がKBOリーグ通算300セーブ達成 古巣の和田元監督、福原コーチも祝福

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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